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2018年05月25日 (金) その他

能楽堂の建築についてのお話です。(楽屋のお話)

横浜能楽堂建築の素敵ポイントについて、少しずつ皆さまにご紹介していきたいと思い、前回は屋根をご紹介しました。

http://ynt.yafjp.org/staff-blog/?p=903

ちょっと間があきましたが今回は楽屋のお話です。

 

先日、建築士の団体様がガイド付施設見学にいらっしゃいました。その際に、横浜能楽堂の設計者が大江建築アトリエ大江新様であることを説明しましたところ、「大江建築の特徴がよく出ているな~」とおっしゃっていました。逆に私が、「どんなところがですか~」とお伺いしてしまいました。その特徴がまさに素敵ポイントだなと思いましたのでご紹介します。

 

まず、最初の素敵ポイントは楽屋玄関です。

楽屋玄関とは、公演時に能楽師さんが出入りしたり、楽屋や研修室でのお稽古会の際に先生とお弟子さんが出入りする玄関です。玄関内部は、木の柱・梁と石の壁で構成されています。前述の建築士さん曰く、大江建築の特徴が出ているのが、柱と梁による大胆な構成だそうです。柱・梁は塗り壁から独立したように目に飛び込んできます。

 

玄関外部は、内部同様に木と石の構成となっています。やはり木の柱と梁が主張しています。

私は、この楽屋玄関の織物が貼られている格天井が大好きです。織物の文様は「萌黄地蓮華文錦()」で、格子を境に互い違いに向きを変えて貼られているため、光の具合で文様の色が異なって見えます。いつも見上げてはうっとり~してます!大江新先生によりますと、紙ではなく織物を貼ってあるのは、空間に華やかさと優しさを演出するためだそうです。ただし、楽屋玄関で天井を見上げる方は少ないに違いない・・・、と思い少し残念です。

 

次の素敵ポイントは、楽屋です。

楽屋は12畳の畳敷きの和室が4室つながっており、間は戸襖で仕切られ、戸襖の上は格子の欄間になっています。大江建築の特徴が出ているのが、この欄間だそうです。とてもシンプルで装飾性を排除した格子により、凜としてモダンな和室になっていると思います。

戸襖の縁取りは太めになっています。大江新先生によりますと、住宅や茶室のようなプライベート性の高い部屋では繊細さが重視されることが多いため各部の寸法は概して狭く細く作られますが、楽屋はもう少し公的な性格が強いだろう、ということから戸襖の縁取りが太めになっているとのことでした。

この縁取りの木は無垢材のため戸襖がとても重く、また無垢材の敷居とぴったりの寸法でできあがっています。取り外すと入れる時、向きや順番が違うと入らなくなるため、戸襖の紙の張替えの際に職人さんたちが苦労していたことを思い出しました。

 

普段は入ることのできない楽屋スペースは月に1回の無料施設見学日にご覧いただくことができます。

140年余の歴史ある舞台だけでなく楽屋もガイド付でご案内します。次回は614(10:0011:00)

また、ご希望の日程で有料施設見学も承っております。25名様までガイド1名 14,000円。

多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

 

はぜの木

 

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