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2016年10月27日 (木) その他

本舞台の屋根についてのお話です

先日、横浜能楽堂本舞台を見学された海外のお客様より、「屋根は藁葺き(わらぶき)ですか?」とご質問を受けました。

本舞台の屋根ですが、素材は椹(さわら)で葺き方は「こけら葺き(ぶき)」です。

ウィキペディアによりますと・・・

 

杮葺(こけらぶき)は、屋根葺手法の一つで、木材の薄板を用いて施工する工法である。板葺(いたぶき)の代名詞にも使われる。日本に古来伝わる伝統的手法で、多くの文化財の屋根で見ることができる。

 

とあります。

ちなみに「こけら」は杮と書くのですが、柿(かき)とは微妙に違う字です。

こけらの旁部分は縦の線が上から下まで一本ですが、かきの旁部分はなべぶたの下に巾と書きます。

横浜能楽堂建築時の「横浜市指定文化財 旧染井能舞台復元修理工事報告書」にある屋根工事のページを確認しましたところ、

「椹枌板(さわらへぎいた)を用い杮葺きとした。舞台では、樅の棟折り板の上に燻し瓦の熨斗瓦、雁振瓦、鬼瓦で構成し、鬼瓦には、横浜市の紋章をいれた。」

と記述されていました。

鬼瓦にカタカナのハとマの二文字からなる横浜市の「き章」(通称ハママーク)をいれるなんて、なんて遊びごころいっぱいなんでしょう~と思いました。

横浜能楽堂にお越しいただいた際には、二階見所から本舞台屋根の鬼瓦のハママークをチェックしてみてくださいね!

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そして、もう一つ、横浜能楽堂にはハママークをあしらった素敵な建築要素があります。ヒントは下の写真、ぜひ現地にてご確認くださいませ。

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はぜの木

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