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2014年05年15日 (木) 公演情報
実感!古典芸能を「聴く」楽しみ

暗闇で聴く古典芸能

 

 

先月、沖縄タイムスに、企画公演「暗闇で聴く古典芸能」について寄稿させて頂く機会がありました(4月29日に掲載されております)。開催経緯や古典芸能を「聴く」ことについてあれこれ書いたのですが、正直なところ、私、普段あまり能を「聴くもの」として意識しておりませんでした・・・(汗)

 

 

その原稿を書いた翌々日。能「江口」を観ました。言わずと知れた鬘物の名曲で、これまで何度も観ています。その序盤は、次第に始まり、名ノリ、道行、アイとの問答、ワキのサシ謡、そしてシテの呼掛と、お決まりのやり取りが展開します。

 

 

原稿を書いた直後ということもあって、ついつい「聴く」ことを意識しながら観ていたのですが・・・すると、いつもに増して面白いのです!次第の囃子、大小のコイ合(三ツ地)の音と間、そこに笛が絡んできた時の音楽的な豊かさと言ったら例えようのない素晴らしさ。そしてワキの謡の繊細な節遣い、アイの明朗な口跡。言葉がその意味を超えて耳を楽しませ、心を震わせるのです。ちょっと意識するだけで、ここまで聴くことから得られる情報が多いとは・・・もう、目から鱗でした。そして、シテの呼掛、これは揚げ幕の奥、見所からは姿が見えないところから響いてきます。もうこれは、能が「聴く」芸能であることを実感せざるを得ませんでした。

 

 

さらに、この日の「江口」には「平調返」の小書が付いていました。この小書は、序之舞の序の部分に特殊な囃子が奏されるもので、大変重く扱われておりますが、曲に劇的な変化をもたらすものとは言えません。また「平調返」の際には、後シテの出に常の一声ではなく「沓冠之一声」と呼ばれる、これまた特殊な囃子が奏されますが、これもシテの演技には直接関係のないものです。こういったものが大切にされているのは、やはり能が「聴くもの」であるためのように思えてなりませんでした。

 

 

能を「聴く」楽しみを知ってしまった私は、後日観た組踊「大川敵討」でも「聴く」ことを実践。第一場の乙樽の唱えや、東江節などの聴きどころで思わずニヤニヤしてしまったのでした(笑)

 

 

さて、6月21日(土)開催の「暗闇で聴く古典芸能」では、「聴く芸能」と呼ばれる能、組踊、文楽の名手たちが勢揃い。名曲と知られる「西行桜」や「卅三間堂棟由来」、一管の秘曲「津島」や本土で初上演となる語り組踊「手水の縁」を上演します。照明を落とした真っ暗な会場、聴くことだけに集中できる環境で古典芸能がどのように皆様の耳に届くのか・・・?お楽しみに!

 

 

公演詳細はこちら↓

http://ynt.yafjp.org/schedule/?p=1047

 

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