スタッフブログ

2013年12月26日 (木) その他

師走・・・。

時の経つのは早いもので、2013年も、もう終わろうとしています。

先日、何年かぶりに(行ったのも忘れてたくらい)メサイアの演奏会を聴きに行きました。

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メサイアを聞き、第九を聞くと一年の終わりを感じ、

除夜の汽笛を聞くと、新しい年の始まりを感じます。

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今年はどのような年でしたか?

人それぞれ思いはあると思いますが、新しい年は皆様にとって

実りある一年となりますように願っております。

横浜能楽堂に興味を持って、足を運んでくださったみなさま、HPを見て下さった皆様、

ありがとうございました。

来年も多数公演をご用意しておりますので、是非、チェックしてみて下さい。

年明けの公演は1/12(日)の横浜狂言堂

そして、1/25(土)横浜能楽堂特別公演「恋重荷」です。

どちらもチケット好評発売中です。

皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

momo

 

2013年12月21日 (土) 能楽関連

年々歳々…

「年々歳々花相似たり 歳々年々人同じからず」

毎年、年末になり、また一つ齢を重ねると

思うと、この言葉を思い出します。

 

初唐の詩人・劉廷芝の詩で、毎年、花は変わらぬ姿で咲くが、

それを見ている人間の方は、齢を重ねるごとに変わって行く、と

いった内容の詩です。

 

しみじみと人生の無常を感じさせます。

 

横浜能楽堂では、年を挟んで、「檜垣」と「恋重荷」が並びました。

「老」というものを違った角度から考えさせられます。

 

残名ながら「檜垣」は、もう終わってしまいましたが、

「恋重荷」は、まだ間に合います。

 

ぜひ紅葉坂を登って来てください。

それにしても、年々、坂のきつさが気になって来る私です。

(そっぷ)

 

恋重荷

2013年12月10日 (火) 未分類

3年越しで計画実現! その1 全国 『道の駅』は数々あれど・・・編

3年ほど前、何がきっかけだったかは忘れたが「関東好きな道の駅 5年連続第1位」、

「日経プラス1 家族で一日楽しめる道の駅 東日本第1位」に選出された道の駅。

どんな所なのかな?と思い『群馬県川場村 川場田園プラザ』に行って見たいと・・・。

今までなかなか行くタイミングが合わずにやっと今回になってしまいました。

当日、関越道入口のインターチェンジ(IC)にAM6:00迄に入ると高速代が

割引になる?とのことで・・。

カーナビに目的地を設定しFM放送を聞きながら自宅を出発。

ところが途中、東名横浜ICに入る手前で突然FMの音声が切れ電波の発信音のみ・・。

(カ―ナビが故障した?冷や汗!!)

カーナビ頼りの私としては故障したら目的地まで行けない(幸先が悪いな!!)

と思いつつも、とりあえず音声をOFFにし東名→関越道へ。

関越道 練馬ICにAM6:00前に入れたので割引料金適用 ラッキー!!

途中のドライブインで軽い朝食

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ドライブインを出発前、イチかバチかカーナビ操作に再挑戦。

ダメなら目的地変更。

そしたら「正常に戻った」ので一安心。

原因は放送局のトラブルだったのかな?

気を取り直して川場へ。

沼田ICを出て舗装された田舎道?(表現は失礼!)を走ること約10分。

本当に道の駅があるのかなと不安になりながら走っているとまさに田園の中に

ポツンとありました。

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ここでの主目的はミート工房で『山賊焼』なるものを食べること。

ミート工房では、ドイツデュッセルドルフで修行を積み「ゲゼレ」の資格を

取得した人が、ハム、ソーセイジを手作りしていました。

※ゲゼレとは職人の意:徒弟制度に従い6か月間の修行の後の資格

 

「ハム・ソーセイジ」を茹で上げ、熱々の鉄板で焼いたのが『山賊焼』。

注文して待つこと10分ついに出来上がり!!

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いざ!食す・・・。

「満足!満足! 」 ビールが飲めれば「なお最高!」

(後で気づいたのですがノンアルコールと言う手もあったかな?)

プラザ内の「物産センター」に立ち寄り川場村で育った果実・野菜などもお買いもの・・・「ルンルン!」。(非常に安くて、新鮮です。)

次に『かわばんち』でキノコ汁を食す。

※「かわばんち」とは方言で「かわばの家」と言う意味。

 

 

 

ここで満腹になり、ピザも食べたいところでしたが・・・。

断念し次回来る時の楽しみに取っておこうと。

 

 

 

そして次なる目的地へ出発。

今回はここまで。

続きは次の機会に・・・『3年越しで計画実現!その2 』(完結編)

を紹介させて頂きます。

ちょっと予告!

<次回のブログ写真>

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ターニヤ

2013年11月23日 (土) 日々の出来事

鞍馬天狗参上!!

「鞍馬天狗」といえば、シテが天狗で子方が源義経で、花見の稚児がたくさん出て来る華やかな太鼓物のお能を思い浮かべる方も多いかと思いますが、今回は90年前に誕生した「鞍馬天狗」をたずねてきました。場所は横浜を代表するスポットの1つ、港の見える丘公園にある大佛次郎記念館です。

大佛次郎記念館

 

 

 

はい。能「鞍馬天狗」ではなく、大佛次郎作の時代小説「鞍馬天狗」です。
現在、「大佛次郎没後40年記念 テーマ展示Ⅱ『鞍馬天狗』誕生90年」が開催されています。

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「鞍馬天狗」の誕生のきっかけから(なんときっかけは関東大震災。)、雑誌や書籍、映画のポスターや子どものおもちゃまで「鞍馬天狗」に関するあらゆる資料が展示されています。
そのなかで、鞍馬天狗ゆかりの方からの色紙の展示コーナーがあり、5年前にNHKで鞍馬天狗を演じた野村萬斎さんの色紙も飾られていました。「鞍馬天狗参上!」という言葉とともに、鞍馬天狗の絵が描き添えられていたのにびっくりしました!!隣の展示室には放映当時の萬斎さんの写真入りの記事なども展示されていました。

ところで、大佛次郎、ご存知ですか?横浜生まれなんです。「ダイブツジロウ」と読んでしまいそうになりますが、 「オサラギジロウ」 です。小説を書き始めた時に鎌倉大仏の裏手に住んでいたことから「大佛」という名字を、本物の大佛さまが「太郎」だから、自分は謙遜して「次郎」としたそうです。実際にこのあたりには「大佛」と書いて「おさらぎ」と読む北条氏の一族が住んでいたそうです。ペンネームは「大佛次郎」の他にもいくつもあって使い分けていたそうです。
(いろんなペンネームの原稿料袋も展示されていました)

 

 

大佛次郎は猫が大好きだったそうで、生涯で500匹くらいの猫と過ごしたそうです。なので、館内のあちこちに猫がたくさんいます。

玄関にも!

大佛次郎記念館入口

 

ランプの上にも!!
ステンドグラス

寝室を再現したお部屋にもたくさんの猫がいました。猫ちゃんたちを探すのも楽しみの1つです。

 

そして、大佛次郎記念館は、建物自体もとても素敵で、館内に入ると白い壁に青いガラスの光が反射してとても幻想的です。カメレオンガラスと呼ばれる特殊なガラスが窓にはめられていたり、随所にこだわりがあります。ここではとてもとてもご紹介しきれないので、ぜひぜひ、一度足をお運びいただき、実際に雰囲気を感じていただけると嬉しいです。
大佛次郎が好きな人、鞍馬天狗が好きな人、建築が好きな人、やっぱり猫が好きな人、いろんな方に楽しんでいただける空間です。

近くにはジブリの映画「コクリコ坂から」に出てくる旗や説明のパネルもあり散策も楽しめます。(そういえばジブリの映画「風立ちぬ」には野村萬斎さんも声の出演されていましたね)
お天気のいい日がおすすめです!

 

茶三杯

2013年11月01日 (金) 日々の出来事

秋の神奈川美術探訪

 秋真っ盛り、そろそろ紅葉も楽しみな季節となりました。芸術の秋、でしょうか。個人的に気になった美術展をいくつか紹介したいと思います。

 

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○横浜能楽堂「歌う 踊る 弾く―琉球張り子・豊永盛人の世界」

 まずは手前味噌。現在、横浜能楽堂の2階展示室で開催されている「歌う 踊る 弾く―琉球張り子・豊永盛人の世界」。このブログでも既に何度か紹介していますが、豊永さんは独学で学んだ琉球張り子の技術を生かして、独自の制作活動を続けています。今回は特別に、その豊永さんに琉球王国時代の「江戸上り」の情景を、琉球張り子で再現してもらっています。中国の影響が見られる華やかな彩色と、土地の風情が感じられる丸みを帯びたフォルム。紙で作られたその愛らしい人形たちは、独特の生命感と不思議な躍動感にあふれています。12月8日まで。

 

○神奈川県立近代美術館 鎌倉別館「西洋版画の流れ」

 この美術館は、鎌倉駅を降りて、八幡さまを通り越して建長寺に行く途中の道沿いに建っています。今回の展示は、ルネサンス期から20世紀にいたるまでの西洋銅版画の歴史を辿っています。銅版画は社会風刺と相性がいいようで、痛烈な世俗批評や、当時の権力者を揶揄するようなものが多く見られます。貧困にあえぐ庶民の暮らしをリアリティある筆致で描いたものなど、銅版画のひっかくような線を生かして世相に鋭く切り込もうとしているようです。

 同時開催されている「ジゼル・ツェラン=レトランジュ」展。背中に残された傷跡のような、飛び跳ねるノミのような、大海に浮かぶ島々のような画面が、鮮烈な印象を残します。両展覧会とも12月1日まで。

 

○神奈川県立近代美術館 葉山館「戦争/美術」

 この展覧会は既に終わってしまったのですが、1940年から1950年にかけて戦時中を潜り抜けた画家たちが、厳しい社会状況の中でどのように自らの活動を継続させていったかを紹介しています。

 一番最初に感じるのは、作家たちの「描きたいものを描くんだ!」という意志(我)の強さ。戦争へと雪崩れ込んでいく社会状況の中でも、自らの画業を最優先に邁進した様子が見てとれます。

 また、今回の展示の一つの目玉となっているのが、丸木夫妻の「原爆の図」。この連作は、反戦の象徴として単独で扱われることも多いですが、それまでの画家たちの継続的な活動と連なって生まれたものだということが分かる展示になっていました。

 そして最後の部屋には、戦後に描かれた様々な画風の作品が並んでいます。田舎の寒村における政治的な対立を戯画的に取り上げて、果たして戦争は終わったのだろうか、と問いかけるような作品。しかしその隣には、ようやく手に入れた平穏な時間をなんとか画面に描き残そうとしているような作品や、具体的な風景と抽象的な画面との間の緊張関係を通して、もう一度自分の画業を追求していこうとするような作品が置かれています。展覧会は終わってしまいましたが、美術館で販売されている図録を通して、展覧会の様子を伺うことができます。

 

 …と、駆け足で三つの展覧会を紹介してみました。いかがでしたでしょうか。ご興味を持たれた方は、ぜひ足を運んでみて下さい。他にも、この時期には様々な催しが行われています。皆さまも、それぞれの秋をお楽しみ下さいませ。

 

(こまこ)

2013年10月13日 (日) 日々の出来事

クラシックラジオの時間です Vol.2

皆さんこんにちは。
すっかり季節の移ろいを感じられる今日この頃。
前回に引き続き、クラシックをメインに秋におススメの音楽と、そこから連想される雑多なものを今回も「主観的」にご紹介いたします(笑)

ではでは、
まずは音楽。

弦楽六重奏第1番 作品18 第1楽章

秋は懐古的で、もの哀しい雰囲気をイメージする私ですが特にお勧めなのがブラームス。1950年代の映画「恋人たち」で使用された影響で、「一部の方は」この曲の第2楽章はご存知かも知れませんが何と言っても白眉は第1楽章。長調で明るい調子のはずが、とてつもなく切なく甘美なテーマによって、美しい悲哀、のようなものが長調によって逆説的に、より印象づけられています。「青臭いのに渋い」という感覚は若かりし頃のブラームス特有のようです。

ちなみに、この曲を作曲した当時ブラームスは27歳。10歳以上年上でシューマンの妻であるクララ・シューマンへの恋心を燃やしている最中だったとのこと。

 

そんなブラームスの渋い音楽を聴きながら飲みたくなる飲み物も…

TWININGS 「Prince of  Wales」

有名どころですみません…レディグレイでおなじみトワイニングの「お紅茶」でございます。

1921年、イギリスのエドワード8世の誕生を祝して配合されたパーソナルブレンドだそうです。(詳しくは知りません)

あまり、こだわりを持ってお茶を飲んだりしないのですが、このプリンスオブウェールズはおススメです。中国茶のようなオリエンタルな渋みの中に、独特のスモーキーな香りがブラームスの秋の雰囲気を彷彿とさせると、最近気付きました。

ミルクや砂糖・フレーバーシロップを入れたりせず、ストレートで夕食後にゆっくりと飲む為のようなものです。

ブラームス×紅茶=もの想いに耽る詩的な自分

みたいな感じです。

 

続いて…

C.フランク

ヴァイオリンソナタ イ長調

マイナーな作曲家ですみません。でも、非常に隠れた名曲です。

ヴァイオリンソナタの最高傑作とも謳われるこのソナタは全4楽章。ミステリアスなピアノ伴奏の、短い前奏に乗ってゆっくりと言葉を吐くようにヴァイオリンの旋律が語られて行きます。なんとも言えない官能的な音楽性と落ち着いた色彩感は、大人の秋を連想させられます…。

 そんなフランクの音楽には、この人の詩。

 

北原白秋

東京景物詩より 「片戀」

1913年(大正2年)、白秋28歳の詩集。

「邪宗門」で顕著な耽美さは幾分おさえられており、曳舟や神保町・九段・日比谷・銀座…大正期の下町の風情から東京のモダンな情景がダンディに仕上がった詩集です。

「噴水」「瓦斯燈」といったワードが、個人的には妙にヨーロッパを感じさせるハイカラな作品。

フランクのダンディズムと呼応しているように感じるのはこの詩集の「片戀」です。

以下抜粋です、どうぞ。※抜粋だけだと和の雰囲気の方が強いかも知れませんが… 

 あかしやの金と赤とがちるぞえな

片戀の薄着のねるのわがうれひ

曳舟の水のほとりをゆく頃を

やわらかな君が吐息の散るぞえな  

   ※こちらは團伊玖磨氏の作曲で「舟唄」として曲もつけられています。

 

さて、最後はこちら。

 F.プーランク

12の即興曲 第12番「エディットピアフ讃」

フランス人作曲家プーランクという、またもマイナーな作曲家ですが、ぜひ秋にお聴き頂きたい一曲。メランコリックな雰囲気の中に、絶妙に織込まれた人生の悲喜こもごも…仕上げにパリの秋風をプラスしたような非常にフランスのエスプリに富んだ名曲です。どこか、黄昏る自分に酔っているような印象もまた、フランスらしい一曲。

 

そして、この曲にはこの絵!

 

藤田嗣治の有名な一枚。

「カフェにて」

 

 

独特の乳白色で有名な藤田嗣治。

雨の後なのか、雨が降る直前なのかどちらともとれるあいまいな空の背景に、鬱々とした表情にも無表情にも見える女性が佇んでいる一枚。意味あり気にテーブルに置かれた手紙のようなもの、季節感も、感情も、全て象徴的に見えて実は曖昧さを増している様は、観る側にインスピレーションを与える不思議なストーリー性を持っています。

メランコリック&悲喜こもごも…まさにプーランクの音楽の色彩に共通しています。

 

さて、このように今回は本能の赴くままに自分にとっての秋の音楽とその他のものを繋げてご紹介してみました。

今回のブログで気付いたのですが、ブラームスは27歳の作、白秋は28歳の作…

自分を過去の天才たちと比べるのもおこがましいのですが、26歳の秋、何か自分なりに挑戦してみようと決意してしまいました…余談ですみません

皆さんも、ご自身の「○○の秋」をぜひご堪能下さい(^-^)

 DJひ○お

 

 

2013年09月29日 (日) 日々の出来事

七重 八重 九重とこそ思いしに

皆様こんにちは。あん娘です。

朝晩ぐ~んと涼しくなって、心地よい季節になりました。

いかがお過ごしですか。

 

私は先週あたりから、秋の花粉症を発症したらしく、のどの調子があまりよくありません。

体調など崩されている方もいらっしゃると聞きますので、皆様もどうぞご自愛くださいね。

 

 

さて、先週はお彼岸でしたね。

今年も美味しく頂きました。

おはぎ

「おはぎ」です。

 

「3月のお彼岸には、牡丹の花の季節だから『おぼた』、9月のお彼岸には、萩の花の季節だから『おはぎ』って言うのよ。」

と子供のころ母から教わりましたが、諸説いろいろあるようです。

 

 

 

そういえば、萩の花ってどんなだっけ?

 

「七重 八重 九重とこそ思いしに 十重咲き出ずる萩の花かな」

狂言「萩大名」に出てくる歌です。

大名は、下京に見事な萩の花が咲くお庭があると聞きます。

ところが、そこでは萩の花を見せてもらったお礼に即興で歌を詠まなければいけません。

そこで大名は、太郎冠者からこの歌を教わって出掛けて行くという内容です。

 

たった31文字を覚えればいいだけなのですが、

この大名、ちっとも歌が覚えられないのです。

太郎冠者が一生懸命フォローしているのに、トンチンカンなことばかり。。。

 

でも、発想力豊かな大名も、そしてそんな大名に苦労する真面目な太郎冠者も、

私は大好きです♡

 

 

ということで萩の花。

萩の花

 花びらが重なっている花ではないので、小さな花がいくつも重なって咲いている姿が「七重 八重・・・」なのでしょうか。

 

 

上を見上げれば、青く澄んだ秋の空。

皆様も秋を楽しんでくださいね。

 

 

 

 

「花」と言えば、

11月9日(土)午後2時から「琉球舞踊 受け継がれる伝統-古典・雑踊・創作」を開催致します。

人気も実力も兼ね備えた美しい「花」が勢ぞろいする公演です。

古典女踊「本嘉手久」比嘉いずみ 撮影:神田佳明

古典女踊「本嘉手久(むとぅかでぃく)」比嘉いずみ

(撮影:神田佳明)

 

ぜひ足をお運びくださいませ。

詳細はこちらから。

 

 

あん娘

2013年09月25日 (水) その他

「心と経済」の復興支援『現地で学ぶ見る感じる 芸能の宝庫・岩手の旅』

平成23年9月に、横浜在住の古典芸能実演家の呼びかけにより実現した「東日本大震災チャリティ公演『古典芸能のつどい横浜』では、東北の芸能団体に道具を支援しました。その時の報告はこちら  https://yokohama-nohgakudou.org/staff-blog/?m=2013&paged=3

横浜能楽堂では、引き続き、何かできることは無いかと模索しておりました。そして今回、実現したのがタイトルの 「心と経済」の復興支援『現地で学ぶ見る感じる 芸能の宝庫・岩手の旅』なのです。

 岩手県は、「民俗芸能の宝庫」と言われ、鹿踊・獅子舞・虎舞など、この土地でしか見ることのできない個性的な芸能が数多く受け継がれています。多くの方に岩手を訪れていただき、それらの芸能を理解してもらうことにより、「心と経済の復興」の手助けをしたい、と横浜能楽堂と大船渡市民文化会館リアスホールの企画協力で実現しました。

大船渡には、2日目に訪れます。 「古典芸能のつどい横浜」が支援した5団体のうち、3団体がある大船渡は、津波の被害が甚大で、鉄道もこの3月にバス高速輸送システムにより再開しましたが、まだ、復興には程遠い地域です。ここでも、地区ごとに「鹿踊」「獅子舞」などいくつもの芸能を持っています。今回のツアーでは、そのさまざまな芸能をリアスホールでの「郷土芸能祭」を見たり、街を自由に散策したり、自由に時間を過ごしていただきます。
街を歩き、地元の美味しい物を堪能していただいて、大船渡のファンが増えることを願っています。ちょうど「さんま」が美味しい頃ですよ。

ツアーの1日目は、花巻で、今年没後80年を迎える宮沢賢治についてたっぷり学びます。3日目は世界遺産・平泉を訪れます。毛越寺では、執事長・藤里明久さんによる解説とともに、能の先行芸能でもあり、国の重要無形文化財にも指定されている「延年の舞」を鑑賞。中尊寺では境内にある白山神社能舞台で、中尊寺仏教文化研究所所長の佐々木邦世さんによる講演と、佐々木宗生・多門さん親子による平泉ゆかりの仕舞「秀衡」をみるなど、普段は見ることのできない特別プログラムが満載です。  多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
お申し込みは下記2つの旅行会社へ。

                                                                                                                            横浜能楽堂 

JTBコーポレートセールス 法人営業横浜支店「芸能岩手の旅」
045-316-4622

クラブツーリズム
03-5323-6822

JTB

クラツー

 

 

2013年09月19日 (木) 公演情報

読書の秋、芸術の秋

8月の溶けてしまいそうな猛烈な暑さも、少し和らぎ、秋が近づいているのかな・・・と思わせる今日この頃。

そんな読書の秋におすすめ・・・というか、最近読んだ本をご紹介したいと思います。

 

1冊目は、「読んで愉しむ 能の世界」。

 

 

読んで愉しむ能の世界表紙

 

 

9月1日に開催された企画公演「時々の花」第1回での解説も好評だった馬場あき子さんの著書。昭和50年に発刊された「花と余情」という本に、「新・能楽ジャーナル」で連載されていた「作り物随想」を併収し、平成21年再版されたものです。

 

内容は能の作品の解説書なのですが、一般的な解説書が、あらすじや見どころを簡潔に記載し、より多くの曲目を紹介しようとしているのに対し、本書は16曲にしぼり、一つ一つの作品の見どころ聞きどころ、舞台進行や詞章についての丁寧な説明、深い考察が加えられています。題材となる古典文学や和歌、そして「申楽談儀」や「隣忠秘抄」といった能の伝書などを引用しながら、馬場さんらしい感性の豊かさと、瑞々しい表現で綴られた文章は、今まで知らなかった作品の魅力に気づかされ、読み進めるのが本当に楽しい、まさにタイトル通りの内容。初心者の方から、能が好きな方までおすすめできる本だと思います。

 

そして、企画公演「時々の花」10月26日の第2回12月21日の第3回では、どんなお話を聞けるのか、こちらもお楽しみに!
 

もう1冊は与那原恵・著の「首里城への坂道 鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像」。

首里城への坂道表紙

鎌倉芳太郎の名前は、沖縄の文化関係の書籍を読むと必ずと言ってよいほど登場しますし、2年前に行った特別展「祝いの色と文様」での紅型の展示を通じて、当時衰退しかけていた紅型の技術の研究や型紙の収集を行い、戦後の紅型の復興に寄与した重要な人物として認識があったので、その生涯についてもっと知りたいな、とひそかに思っていました。

本書では美術教師として沖縄に赴任した鎌倉芳太郎が沖縄に魅せられ、琉球王朝の崩壊により失われつつあった文化について幅広く調査・記録、写真や資料を残し、それらの資料、そして鎌倉の熱意が琉球文化を現代まで残していくことにどれだけ重要な役割を果たしたかが、非常にドラマティックに描かれています。また、同じく琉球文化に魅せられ、研究等を行った、伊波普猷、末吉麦門冬、伊藤忠太らの活動も描かれることで、明治以降の沖縄の芸術文化の分野における研究、保存、継承の歴史の流れが良く分かる内容になっています。今後、沖縄の文化に触れるにあたり、それらを残そうとした先人の思いを感じずにはいられないであろう、そんな気分にさせてくれる一冊です!

 

そして、この書籍の舞台・首里に建ち、鎌倉芳太郎の資料の多くが保存されている沖縄県立芸術大学。ここを卒業し、現在、第一線で活躍する琉球舞踊家たちが出演する公演「琉球舞踊 受け継がれる伝統-古典・雑踊・創作-」が11月9日(土)に開催されます。琉球王朝時代からの古典舞踊、明治以降に創作された雑踊、そして今回の公演のために作られた新作も上演される、見逃せない公演。チケット好評発売中です。

琉球舞踊 受け継がれる伝統

また、公演に併せ、10月13日(日)から12月8日(日)まで、2階の展示廊では、特別展「歌う 踊る 弾く-琉球張り子・豊永盛人の世界」が開催されます。沖縄各地でハーリー(爬竜船競争)が行われる旧暦5月4日のユッカヌヒー。かつて、この日には玩具市が並び、こどもの健やかな成長を願い、張り子を買い与えたそうですが、明治以降の玩具の発達、また沖縄戦でその文化も衰退してしまいました(鎌倉芳太郎の写真資料の中に、今では殆どが失われてしまった戦前の琉球張り子もあるそうです)。その伝統的な琉球張り子の技術を継承し、またオリジナリティあふれる創作活動を行うことで、注目を集めるアーティスト・豊永盛人の初の本格的な個展になります。どうぞご期待下さい。

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2013年09月03日 (火) 未分類

せとうちっ!!

8月に夏休みで、「瀬戸内国際芸術祭2013」に行ってきました。初めての瀬戸内海で、気分はウキウキ。
1日目に男木島と女木島、2日目に小豆島、3日目に直島と、4つの島をめぐってきました。

女木島は高松から一番近い小さな島。そして、高松から見ると、その先に男木島があるといった位置関係。
高松からめおん号という赤いフェリーに乗って、いざ男木島へ出発!
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男木島は、1.37平方キロメートルだそうで、歩いてぐるっとまわれちゃうぐらいの大きさでした。路地に立つ家々にアート作品が展示されていました。アート作品をもとめて、島の人なんか絶対歩き回らないだろう日中、じりじりと照りつける太陽にも負けず、坂を上ったり、下ったりしました。
通る小道には、こんな作品も。
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こぢんまりとした素敵な島でした。

そこからまた同じフェリーに乗って、女木島へ移動。
女木島は、男木島の倍ぐらいの大きさの島。鬼ヶ島伝説のある島で、「鬼ヶ島」の別名も。
フェリーの案内放送では「男木島・鬼ヶ島行きのフェリーは・・・」というアナウンスが入ってしまうぐらい、「鬼ヶ島」の名称はメジャーなようです。

女木島では、近場の作品を見て、早めのご飯を食べた後、19:00から「木もれ陽プロジェクト『星の島』」というプログラムがあったので、参加。
木の上に特殊な照明装置をクレーンで吊り上げ、地面に星の木もれ陽を映し出したものを、タモで星を「取って」鑑賞するというもの。
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内容がら子どもたちが多く、きゃっきゃっと喜ぶ子どもたちに交じって、「たくさんとれた~!!」と一番興奮して鑑賞してしまいました。。。

2日目。瀬戸内海で一番大きな小豆島。オリーブで有名な島ですが、お醤油も作っているそうです。
お醤油の蔵やお店が軒を連ねる一帯にもアート作品があり、お醤油のいいにおいが漂ってきて、お腹がにおいに刺激される中、歩きまわりました。

今回見た中で一番大きかったのが、これ。棚田が広がる田園風景が続く中に、存在感を放つドーム。
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竹が組まれてできた通路に入ると、こんな感じ。
外ではじりじりと照りつけていた光が、中に入ると竹の隙間から優しく差し込む光に変わって、とても気持ちがよかった~。
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3日目。直島は他の島と比べると、砂浜もあって、リゾート地といった感じの島で、観光客も多くいました。

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有名な南瓜の作品。青い海に黄色がよく映えていました。

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3日間、天気によ~く恵まれ、本当に暑くて、暑くて。。。ぎらぎらとした日差しのもと、じりじりと焼かれ、溶けそうになりながら歩いてきました。
それでも、島中を作品を求めて歩きまわることで、作品を知るだけでなく、それぞれの島を知ることもできて、楽しさ倍増でした。

ぼたん

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