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2017年11月06日 (月) 未分類

八角窓から見えるものは・・・

横浜能楽堂に、八角形の窓があるのをご存知でしょうか?

場所は1階ロビーから2階展示廊に登る階段の途中にあります。

窓の機能といえば通常は、採光と通風ですが、その他に「壁を通して風景を見る」という機能があります。例えば茶室では、窓に取り付けられた障子を開け放つことで、窓枠に切り取られた風景を楽しむことができます。
横浜能楽堂の階段の途中にある八角形の窓は、あまり日当たりのよくない中庭に面しているため採光のためではなく、ガラスは嵌め殺しになっているため通風のためでもありません。風景を見るという機能のために設計された窓なんだろうなあ~、と思います。
では、どんな風景を見ることができるというと、小さなスペースの中庭に植えられた竹を見ることができます。中庭側から八角形の窓を見ると写真のようになっています。

さらに、その窓に入っているガラスは、横浜市のハママークの摺りガラスになっています。八角形の額縁と摺りガラス効果によって、とても平凡などこにでもある竹が、なんだか特別な竹のように見えて、階段を上る楽しみとなります。

この八角形の窓は、明治8年に根岸に建立され、大正8年に染井に移築され、平成8年に横浜に移築・復原された能舞台のある能楽堂への、設計者からの8つながりのプレゼントなのでは・・・と妄想しています。

横浜能楽堂にお越しの際には、2階へ登る階段の途中で足を止めて、八角形の窓にもご注目くださいませ。

 

はぜの木

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