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2015年04月09日 (木) 未分類

奉納夜桜能

4月1日、靖国神社の「奉納夜桜能」に行ってきました。
毎年靖国神社の能舞台脇にある桜の標本木に5輪ほど開花することで、

東京の開花が宣言されることでも有名なところです。
番組は、舞囃子「養老」、狂言「棒縛」、能「巻絹」。
あいにくの小雨と花冷えの寒さではありましたが、雨合羽が配られ満開の桜のもとで舞台は始まりました。1428216160963
火入れと共に笛の演奏が始まります。なんと曲はミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」の『My favorite things』(某鉄道会社のCMソングでも有名な曲です)が始まり、バッハの「G線上のアリア」と続き、初めて聴く能管の洋楽演奏はとても新鮮でした。フルートとはまた違う能管独特の温かみのある音色に背景が溶け込むようにマッチして、寒さも忘れ聞き入ってしまいました。霧雨の中、桜がハラハラと散りゆく中での舞台は本当に幻想的で、能楽堂でお馴染みの出演者たちもいっそう華やいだ表情に見えたのは桜の精?の仕業でしょうか・・・
それにしても、桜の時期はあっという間。
『ことならば咲かずやはあらぬ桜花見る我さへにしづこころなし』と三十六歌仙の一人、

紀貫之は「どうせ散るなら咲かないではいられなかったのか」と散る桜を惜しむ歌を
残していますが、すべての花は咲いてこそ美しいけれど、散る様までもが美しいのは個人的には桜において他はないように思います。

せっかくなので近くの千鳥ヶ淵まで足を延ばしてみると、見事な桜の波のような風景にさらに感激。1428216421749
贅沢な春の訪れを満喫した一夜でした。

むつき

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