スタッフブログ

2014年02月14日 (金) 公演情報

今年も開催!バリアフリー能

皆様こんにちは。あん娘です。

暦の上では春ですが、先日は大雪が降ったりと寒い毎日ですね。
連日テレビでは、4年に1回の祭典・オリンピックが中継されています。
私も観出してしまうと、ついつい最後まで観てしまい、翌日起きるのがつらかったりします。
皆さんは大丈夫ですか?
決勝の時間は3時や4時ですから、夜更かしをせずに、う~んと早く寝て、と~っても早く起きればいいのですが…なかなか難しいですね(笑)。

 

さて、恒例の行事といえば、横浜能楽堂では「バリアフリー能」でしょうか。
障がいのある方もない方も一緒に能・狂言を楽しんでもらいたい-そんな横浜能楽堂の願いを込め、今年も3月22日(土)の午後2時から開催します。おかげさまで、今年で13回目の開催。私自身も、今年で4回目の担当になります。

 

「バリアフリー能」では毎年、さまざまなサポートをご用意してお客様のご来場をお待ちしているのですが、初めて担当になった年は、これらのサポートを理解するだけで精いっぱいでした。

 

 

私がこんなものがあるのか!!と思ったものの1つ。

 

能舞台の触図です。

 

能舞台触図

視覚障がいの方に「こんなものがあるよ。」教えて頂いて、第1回の「バリアフリー能」からご準備しています。
この触図、今ではめずらしいサーモフォームという機械で作っています。
原盤にボール紙やサンドペーパーなどを張り付け、焼き付けるという手法で、きれいに作るのがとっても難しいそうです。
場所によって凹凸の形が違うのが写真からわかりますか?

それぞれ触り心地が違うので、視覚障がいの方にはわかりやすい!ととっても好評なんですよ。
ところが、機械も老朽化し、原盤を作るのも職人技が必要ということで後継者がおらず、今後はもう作ることができないかもしれないということでした。
なんとか、続けて頂ければと思っているのですが…とても残念です。

 

 

オリンピックを見ていて、10代の選手の皆さんがインタビューで、
「多くの皆さんに支えてもらって、ここに立っています。」と話していました。

 

「バリアフリー能」も、たくさんの方々のご協力によって今年も開催することができます。
多くの皆様のご来場、心よりお待ちしています。

 

今年度の「バリアフリー能」は、3月22日(土)午後2時開演(午後1時開場)です。今年は、昆布売りと何某の立場の逆転が面白い狂言「昆布売」と、源氏物語を題材に、愛を失った高貴な女性の悲しみと恨みを描いた能「葵上」をお送りします。

詳細はこちら

 

バリアフリー能チラシ画像

 

●サポート内容一覧●

◎共通サポート
介助者1名無料(チケット申込時にお伝えください)
・途中入退場が可能

 

◎視覚障がいの方には…
・点字ちらし
・点字パンフレット
・メールパンフレット(Eメールアドレス宛てに、パンフレットの内容を事前送信致します。チケット申込時にメールアドレスをお伝えください)
・副音声
・触ることのできる能面展示
・能舞台の触図
・能楽堂への道案内(能楽堂HPから交通アクセスへお入りください)
・視覚障がいの方向け 施設見学会(3月2日午後2時開始 ➡ 詳しくはこちら

 

◎聴覚障がいの方には…
・解説時 手話通訳
・解説時 パソコン通訳(「パソコン通訳」は、音声をリアルタイムにパソコンで入力し、
文字にしてスクリーンに投影します)
・詞章〔台本〕配布(事前送付も)
・字幕配信(S席12列・13列、B席12列・13列座席限定。iPadやモニターで字幕を配信します。チケットお申し込み時にお伝えください。)
・聴覚障がいの方向け 施設見学会(3月2日午前10時30分開始 ➡ 詳しくはこちら

 

◎知的障がいの方には…
・チラシ・パンフレットを総ルビで表記
※公演終了後に知的障がいの方を対象とした、公演内容向上のための意見交換会を予定しております。1時間程度を考えておりますので、お時間がございましたら、是非ご参加ください。事前の申し込みは必要ございません。公演終了後は、ロビーにお集まりください。意見交換会会場までご案内致します。

 

◎車椅子の方には…
・車椅子の方向駐車場(チケット申込時にお伝えください。当日午後1時半までにお越しください。)
・通路側のお席を優先的にご案内

 

ご来場、心よりお待ち申し上げております。

 

 

あん娘

2014年01月31日 (金) 日々の出来事

正月求めて沖縄さんぽ

年末、冬休みを利用して沖縄に行っておりました。
一昨年の年末もタイムスホールのこけら落し公演「万国津梁の音色」で沖縄におりましたが、まだクリスマス時期でしたし、それほど街を見て回ることもなかったので、あまり年の瀬の感じがしませんでした。そこで今回は、正月を迎える風景を探して那覇の街を散歩してみました。

 

りうぼう前で

県庁前のショッピングセンター「りうぼう」は、すでに正月ムード。

 

 

 

シーサーと門松         カーゴス前で

門松や正月飾りがある建物もチラホラ。シーサーが違和感なく並んでいるあたり、やはり沖縄といったところでしょうか?

 

 

 

栄町市場のお肉屋さん       公設市場のお肉屋さん

市場に行くと、お肉屋さんが賑わっていました。沖縄では、お雑煮の代わりに豚の内臓が入った中身汁を食べるそうです。

 

 

 

県立博物館・美術館の掲示物

一昨年の展示で三線をお借りした、県立博物館・美術館さんも元旦から様々なイベントをやっているようです。

 

 

 

サンエーの掲示物

新都心のショピングセンター「サンエー那覇メインプレイス」。お正月らしい・・・のかどうかどうか分かりませんが、やはりイベントがあるようです。

 

 

 

サンエーの催事場

お年賀・・・と思いきや熨斗紙には「お歳暮」の文字。催事場では大晦日までお歳暮ギフトコーナーが開催されているようでした。

 

 

 

しめ縄売り場

しめ縄も売っていました。ちょっと気になった奥に見える「沖縄式しめ縄」の文字。

 

 

 

沖縄式しめ縄

橙の代わりにゴーヤーが付いているとか、大胆な違いを想像していましたが、普通のしめ縄と大差ないような。ややシンプルで縄の締め方が違う・・・?それより気になるのは、他のしめ縄と比べて残りが異様に少ないこと。やはり皆さん沖縄式を選ぶのでしょうか?

 

 

少し散歩してみた限りでは、本土とちょっと違うような、それほど変わらないような・・・という感じでした。今回は年を越す前に帰って来てしまったので、次は、年越しも体験してみたいです。

 

 

黒島の御嶽

そして今日1月31日は、旧暦の1月1日。八重山の黒島では、正月ユンタを歌い、綱引きをするなど旧正月の行事が行われます。上の写真は、昨年の旧暦1月2日に訪問した時の写真。御嶽には、何やらが執り行われた跡がありました。

そして、旧暦1月4日には、ヒヌカンムケー(火の神迎え)、二十日正月(今年は2月19日)には、那覇の辻で五穀豊穣を願う「ジュリ馬」が行われるなど、沖縄では、これからも正月行事が続きます。

 

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2014年01月16日 (木) 未分類

やまとぢから

年始から横浜そごうのそごう美術館で開催されている、籔内佐斗司さんの展覧会「やまとぢから」に行ってきました。

 

 やまとぢからポスター

 

 

籔内さんといえば、あの「せんとくん」のデザインをしたことで有名ですが、彫刻家で、仏像の修復なども手掛けていらっしゃいます。

 

美術館の入口をはいると・・・まずはせんとくんと鹿坊たちがお出迎え。

 

 せんとくんと鹿坊

 

チラシの画像に使われているような童子たちから、伎楽面、せんとくんのように実際に中に人が入ることのできる布で作られた作品、そして籔内さんが学生時代に製作した作品、そして籔内さんのお弟子さんが製作した仏像の模造まで、籔内ワールドが展開されていました。

 

 

中でも、日本地図をかたどった台にそれぞれの地域にまつわる作品を置いてあるお部屋がとても印象的でした。

出雲のあたりにはうさぎさんと大国主命の作品があったり、愛知県のあたりには桃太郎の作品があったり(桃太郎は、岡山県が有名なのですが、実は愛知県犬山市にも桃太郎の説話があり桃太郎神社もあるのです!)、遠野にはかっぱがいたりしました。

一つ一つ細かく見たり、少し高くなったところから俯瞰してみたりと、いろんな楽しみ方ができ、とっても素敵な作品でした。

 

14:00から待ちに待った籔内さんのトーク。(毎週土曜にされるそうです。)

印象に残ったお話がたくさんあり、その中でもお客様から出た質問に対する答えが興味深かったので、お伝えしたいと思います。(一語一句籔内さんの言葉ではありませんが。。。)

 

「籔内さんのお好きな仏師は誰ですか?」

「運慶・快慶などの慶派以前は仏師が仏像に名前を記していないので、どれがどの仏師の作品とは分からないので、好きな仏師というのは難しいのですが、一番好きな仏像は、桜井市の聖林寺の十一面観音です。」

調べてみるとこちらみたいです。↓

http://www.shorinji-temple.jp/about/about04.html#../images/about/p4_p02.png

 

 

「籔内さんの作品は目が印象的ですが、何か意図はあるのでしょうか。」

「これまで私は『こころとからだ』をテーマに作品の製作をしてきました。人間の肉体が『からだ』、目が『こころ』を表す部分と考えているので、大切な部分と考えています。また、『童子』たちも『こころ』でありすべての事象や現象の背後にあるものなのです。」

童子くんたちは、それぞれのことやものの持っている気持ちや思いなのですね!

 

「年代と作品数を見ているととても量が多いと思いますが、どのように製作していらっしゃるのでしょうか。」

「これだけ多くの作品を製作しているのは、一人で製作するのではなく、昔ながらの仏像を製作する際にとられていた『工房』の形態で、チームで製作しているからです。」

日本古来のやり方で作品製作をすることで、人材育成をしながら、伝統を継承しているんですね。

 

と、こんなお話を聞くことができました。

いっぱい楽しい作品を見ることができ、興味深い話もたくさん聞くことができ、新年早々充実した時間を過ごすことができました。

 

最後には、治道翁と小天狗が見送ってくれました。ばいばーい。

 ちどうおうと小天狗

 

 

展覧会は1月22日(水)までやっています。

1月18日(土)の午後2時には籔内さんのギャラリートークも。

詳しくはこちら↓

http://www2.sogo-gogo.com/common/museum/archives/13/yabuuchi/index.html

 

ぼたん

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