スタッフブログ

2019年06月04日 (火) 日常

狂言と古代ギリシャ喜劇その②

横浜能楽堂では2019年3月から8月まで、ギリシャからのインターン、フィリポス・モスハトスさんを受け入れています。主催公演開催時はパンフレット配布などのお手伝いをしてくださっていますので、既に皆さんにお会いしているかもしれません。フィリポスさんはアテネ国立大学演劇学部の学生で、近代日本演劇の研究をしています。日本文化に興味を持ち、2014年から国立大学の言語学校で日本語の勉強を始めました。

フィリポスさんが来日以降に日本で観た演劇や、さまざまな文化について感じたこと、考えたことなどをこのブログで紹介してもらいます。今回はその2回目です。なお、文章については本人が書いたものをそのまま掲載しています。とても積極的に日本語でインターンとして活躍してくれていますので、きっと8月頃にはもっと日本語が上手になっていると思います。8月までの連載ですが、どうぞお楽しみに!

 

 

サテュロス民族。ディオニュソス神を崇拝する半ヤギの人間 (Filippo LAURI, Rome 1623-1694
A Bacchanale, with offerings strewn around a statue of the god Pan 公有写真)

 

喜劇の種類

サテュロス の仮面 (公有写真)

 

皆さん、お久しぶりです!前の記事を続けて、今度の記事には古代ギリシャ喜劇と狂言の種類を調べます。狂言については7ぐらいの種類があります(例:太郎冠者狂言、神狂言と大名狂言)て、その種類の差は内容と人物と状況の差です。ギリシャ喜劇には、三つの種類がありますが、その種類の中の差は時代的です。その種類はアッテイキ喜劇(アッテイキ県に基づいて、アテネ市の県. 486-400 BC)間喜劇(400-320 BC)と新喜劇 (320-120 BC)細かいことちょっと複雑が、基本的に時間が経つに連れて喜劇のテーマは薄くなった。例えばアッテイキ喜劇に、内容はもっと政治的でしたが、新喜劇が来る時に内容はもっと個人的になった。簡単にいえば、間喜劇と新喜劇は神狂言と太郎冠者狂言の同じです。でもその種類以外もう一つの種類があった:サテュロス劇

 

サテュロス劇はだいたい間狂言と同じの機能があった。前の記事「大ディオニスイア」と言う祭りに、悲劇の間にこの特別のサテュロス劇は俳優さんを演技した。さらに、内容はすごく面白かったでした。悲劇の既存の伝説では、サテュロスの民族はメインストーリーを侵略し、キャラクターを悩ませます。残念ですけど、このドラマの残りのはただ1本、エウリピデスの「キュクロプス」です。創造すれば面白いと思います:ある神話はうまくいくと、神話のキャラクターサボっていきなりサテュロスの民族現れると皆いじめ始まる。もちろん、古代ギリシャだから、そのサテュロス劇の終わりはちょっとエロでした。それは間狂言のもう一つの差です。でも古代ギリシャも中世日本にもかんがいかた同じでした:複雑の悲劇・能を表するなら、その悲劇・能の間に楽しくておかしい芝居を演技したほうがいいです。どんな大陸もどんな国にも、人間の生活の中で笑いは不可欠で。

 

奇妙な特徴:パラバシス

2017年ギリシャ国立劇場の「平和」。演出家:コヌスタンチノス・アルヴァニタキス。平和の女神は亡くなったと、主人公は取り戻した。カブトムシで。(写真:ギリシャ国立劇場報道官)

 

ギリシャ喜劇には、一番面白くて独特な特徴は「パラバシス」と言う特徴です。ギリシャ語にはパラバシスの定義は「何かを克服する」て、正にその通りです。芝居のある時点で、主人公は立ち止まり、喜劇が触れる政治的またはイデオロギー的問題について直接観客に話します。 その後も芝居続く。そのように、古代ギリシャの喜劇の著者と近代ギリシャの出演者はじぶんのイデアと考えを表することが出来ます。これは、何よりも、一番の狂言と古代喜劇の差と思います。

この「パラバシス」で、なんの世紀も何の先代も、古代ギリシャ喜劇を演技すれば、現代の観客に時代の問題を完全に示すことができます。それが、狂言が室町と江戸時代の過去の雰囲気尊敬して保持している一方で、現代の古代ギリシャの喜劇は常に現在を見据えている理由です。

 

あとがき:どうしてセリフ劇?

 

西洋人として、前から狂言は少し不思議でした。疑問はただ一つ:どうして狂言はセリフ劇ですか?西洋の世界演劇に、古代喜劇からはだいたい音楽と一斉にやる演劇のジャンル。笑いは音楽と踊りを伴いますが、狂言は踊りますが音楽も華やかさも欠けています。私は少し偏っているかもしれないことを理解しています。古代喜劇でやっぱり演劇はいつも結婚式とごちそうで終わります。だってギリシャ語に従って、コメディの語源「コモス」(パーティー)と「オヂ」 (歌)。世界演劇。もちろん、セリフがありますけど、音楽は重要な要素です。すなわち、一所懸命に人生を祝う芸能です。でも、も一回、少し偏っているかもしれません。多分もっと高揚感なタイプの喜劇に慣れてきた。

これから能と狂言もっと理解できるのために、お勉強します!

2018年07月21日 (土) 日常

能楽堂の建築についてのお話です。(天井のお話)

横浜能楽堂建築の素敵ポイントについて、今回は天井のお話です。

以前に楽屋玄関の「萌黄地蓮華文錦(緑)」の織物が貼られている格天井をご紹介しました。能楽堂内にはその他にも素敵な天井があります!

 

まず2階レストランスペースの天井です。

白い漆喰の格子とその間の木の板のコントラストが明快な格天井(ごうてんじょう)です。

この木の板にはとても歴史があります。

横浜能楽堂の本舞台は、明治8年に東京・根岸の旧加賀藩・前田斉泰邸に建立され、大正8年に染井に移築され、その後に横浜に復原されたものです。根岸時代の舞台は前田斉泰さんが亡くなられた後、一時応接間に仮使用されたため杉板の格天井に改造したそうです。横浜の本舞台では天井板を貼らない化粧屋根裏仕上げとしたため、根岸時代の古材天井板をレストランスペースの天井板に転用使用したということです。レストランスペース入口に杉板の由来を説明したプレートがあります。

明治、大正、昭和、平成の時代を経てきた杉の板の木目に長~い長~い歴史を感じます。

レストランスペースの格天井の杉板

 

次は1階歩廊(ほろう)の天井です。

見所(客席)入口ドア前の通路のスペースのことを歩廊と呼んでいます。

以前、施設見学日の際にお客様から「あの天井の文様は何でしょうか?」というご質問がありました。

資料によりますと「いちご裂(孔雀)」と記してあります。いちご裂とは通常、12弁の花紋をいちごに見立ててそう呼ぶらしいのですが、天井をよお~く見てみますと花紋ではなく孔雀の文様です。そのため(孔雀)と記されているのでしょうか・・・。

色味は木部としっくり調和しつつ、孔雀文様が歩廊スペースに華やかさと楽しさを演出しています。

歩廊の天井の織物の孔雀文様

 

最後は地下1階第二舞台入口の天井です。

格天井に織物が貼られています。

資料を調べてみると「名物利休緞子(紺)」と記されてあります。

茶道具の棗(なつめ)の袋裂に使用されている有名な梅の文様のようです。

舞台の鏡板に梅が描かれているから舞台入口の天井に梅の文様を選んだのでしょうか?設計者の意図はわかりませんが想像力がかきたてられます。

織物が格子を境に互い違いに向きを変えて貼られているため、地下ではありますが、照明器具の光の具合で同じ文様の色が異なって見えます。派手さはありませんが、紺地の緞子の渋さが光っているなあ~と思います。

第二舞台入口の格天井

 

天井散歩はいかがでしたか?

横浜能楽堂にお越しの際には、ぜひお楽しみくださいませ。

ただし、素敵な天井に見とれすぎないよう、くれぐれもお足もとにはお気をつけくださいね。

 

はぜの木

2018年06月26日 (火) 日常

能楽堂の建築についてのお話です。(柱のお話)

横浜能楽堂建築の素敵ポイントについて、少しずつ皆さまにご紹介していきたいと思い、前回は楽屋をご紹介しました。

今回は舞台の柱のお話です。

 

能舞台は、昔は大名のお屋敷の庭や神社の境内など屋外にあったため、舞台の上に屋根がありました。能舞台と見所が建物の内部に納まる形式の能楽堂になった現代も、屋根は昔の様式を継承して舞台の上にあり続けています。

そのため、屋根を支える柱もあり続けています。

 

ところで、屋外から屋内になった後も屋根が残っている建築は相撲の土俵と能舞台だけ、とても珍しいそうです。

その相撲の土俵には柱が無いのは何故だろう?と疑問がわいたので調べてみました。

日本相撲協会のホームページにある協会のあゆみによりますと、昭和29(1952)9月に「四本柱の撤廃 代わりに吊屋根、四色の房を下げる」とあります。翌年5月からNHKがテレビ中継を始めています。

相撲の土俵は、テレビ中継が始まることで観客の視界を妨げる柱が無くなり吊り屋根になったのですね。

一方、能舞台の4本の柱は現在もあり続けています。

どの柱もとても重要な役割があり、「シテ柱」「ワキ柱」「笛柱」「目付柱」と名前がついています。

能舞台を上から見た図

 

中でも「目付柱」は特に重要な柱です。

http://ynt.yafjp.org/about/seat/

近年、多目的に利用するために柱を取り外し方式にしている能舞台がありますが、将来、相撲の土俵のように、「え~能舞台に柱があったの~?」なんて時代がくるのでしょうか?

 

どの能舞台にもある4本の柱ですが、横浜能楽堂本舞台の柱は少し細目であることをご存知でしょうか。

通常の能舞台は総桧づくりですが、横浜能楽堂の本舞台は総桧ではなく舞台床以外の鏡板・柱など主要なものは樅(もみ)の木です。全体の骨組みが細く設計されていて、柱も細くなっているのが特長です。

細い理由については、樅は桧に比べて堅いため、とか、白い梅が描かれている鏡板にあわせてやさしい印象にするため、とか節はいろいろです。

「目付柱」の太さを実際に測ってみましたところ、約5寸でした。他の能楽堂の柱は測ったことはありませんが6寸程度ではないでしょうか。

 

中正面席からは観客の視界の妨げになる「目付柱」ですが、横浜能楽堂の「目付柱」は少し細いため視界の妨げをちょっとだけ緩和していませんか?

たかが1寸、されど1寸ですね・・・。

 

 

横浜能楽堂にお越しの際には、ちょっと細目の舞台の柱にもご注目くださいませ。

皆さまのお越しをお待ちしております。

  

はぜの木

 

2018年05月25日 (金) 日常

能楽堂の建築についてのお話です。(楽屋のお話)

横浜能楽堂建築の素敵ポイントについて、少しずつ皆さまにご紹介していきたいと思い、前回は屋根をご紹介しました。

http://ynt.yafjp.org/staff-blog/?p=903

ちょっと間があきましたが今回は楽屋のお話です。

 

先日、建築士の団体様がガイド付施設見学にいらっしゃいました。その際に、横浜能楽堂の設計者が大江建築アトリエ大江新様であることを説明しましたところ、「大江建築の特徴がよく出ているな~」とおっしゃっていました。逆に私が、「どんなところがですか~」とお伺いしてしまいました。その特徴がまさに素敵ポイントだなと思いましたのでご紹介します。

 

まず、最初の素敵ポイントは楽屋玄関です。

楽屋玄関とは、公演時に能楽師さんが出入りしたり、楽屋や研修室でのお稽古会の際に先生とお弟子さんが出入りする玄関です。玄関内部は、木の柱・梁と石の壁で構成されています。前述の建築士さん曰く、大江建築の特徴が出ているのが、柱と梁による大胆な構成だそうです。柱・梁は塗り壁から独立したように目に飛び込んできます。

 

玄関外部は、内部同様に木と石の構成となっています。やはり木の柱と梁が主張しています。

私は、この楽屋玄関の織物が貼られている格天井が大好きです。織物の文様は「萌黄地蓮華文錦()」で、格子を境に互い違いに向きを変えて貼られているため、光の具合で文様の色が異なって見えます。いつも見上げてはうっとり~してます!大江新先生によりますと、紙ではなく織物を貼ってあるのは、空間に華やかさと優しさを演出するためだそうです。ただし、楽屋玄関で天井を見上げる方は少ないに違いない・・・、と思い少し残念です。

 

次の素敵ポイントは、楽屋です。

楽屋は12畳の畳敷きの和室が4室つながっており、間は戸襖で仕切られ、戸襖の上は格子の欄間になっています。大江建築の特徴が出ているのが、この欄間だそうです。とてもシンプルで装飾性を排除した格子により、凜としてモダンな和室になっていると思います。

戸襖の縁取りは太めになっています。大江新先生によりますと、住宅や茶室のようなプライベート性の高い部屋では繊細さが重視されることが多いため各部の寸法は概して狭く細く作られますが、楽屋はもう少し公的な性格が強いだろう、ということから戸襖の縁取りが太めになっているとのことでした。

この縁取りの木は無垢材のため戸襖がとても重く、また無垢材の敷居とぴったりの寸法でできあがっています。取り外すと入れる時、向きや順番が違うと入らなくなるため、戸襖の紙の張替えの際に職人さんたちが苦労していたことを思い出しました。

 

普段は入ることのできない楽屋スペースは月に1回の無料施設見学日にご覧いただくことができます。

140年余の歴史ある舞台だけでなく楽屋もガイド付でご案内します。次回は614(10:0011:00)

また、ご希望の日程で有料施設見学も承っております。25名様までガイド1名 14,000円。

多くの皆さまのご参加をお待ちしております。

 

はぜの木

 

2018年04月23日 (月) 日常

4月に伝えたいときめき

あっという間に桜は散り、お花見でにぎやかだった掃部山公園も、静かな夜を迎えるようになりました。
かく言うわたしも、口をぽかんと開けて桜を見上げていたうちのひとりです。
誰かのSNSにとぼけた顔でうっかり写りこんでいないかどうか、心配です。
 
横浜能楽堂のTwitterでは、【掃部山公園の桜日記】が更新されておりました。定点観測をした桜のつぼみが、見事に花開くまでの写真が載っています。
今年度の桜日記は終了いたしましたが、よろしければぜひご覧ください。(過ぎ行く春の思い出に……。)
 

《掃部山公園にて、和風庭園の池の花筏》
 

《わたしもお花見しましたというアピール》
 
 
お花見といえば桜ですが、実はチューリップ畑でお花見がしたいと思っています。
きっと夜風に吹かれながらしっとり語ることもなく、青空の下で、ぱーんと底抜けに明るいお花見になりそう。お酒は似合わなそうですね。
 
そんなチューリップを見ながら思い出したのは、小さな頃に好きだった、地上に根付く小さな小さな植物のこと。
地面にしゃがみこんでじっと見つめる、という行動を、人の目を気にしていつの間にかできなくなっていて、つまらない大人になってしまった! かなしい!
と思いましたので、久しぶりに地面にしゃがみこんでみました。
 

《人の目を気にしてさっと撮ったシリーズ①カラスノエンドウ(だと思っているもの)》
 

《人の目を気にしてさっと撮ったシリーズ②ヒメオドリコソウ(だと思っているもの)》
 
かわいい!
 
そんな訳で、4月が好きです。
 
 
 
もんろう

2018年02月10日 (土) 日常

能楽堂の建築についてのお話です。(屋根のお話)

常日頃、能楽堂の屋根は美しいな~と感じているため、以前にその屋根についてブログで少しご紹介しました。
http://ynt.yafjp.org/staff-blog/?p=804
その際にも書きましたが、横浜能楽堂は、平成14年(2002年)に一般社団法人公共建築協会「第8回公共建築賞」を受賞しています。建築竣工時や建築賞応募時の設計図書を見るにつけ、図面だけではわからない設計コンセプトが知りたくなりました。
そこで、先日、横浜能楽堂設計者である大江建築アトリエ大江新様にお越しいただき、建築家のお立場からいろいろな話を伺いました。横浜能楽堂建築の素敵ポイントについて、少しずつ皆さまにご紹介していきたいと思います。今回は、屋根のお話です。

 

まず屋根の勾配についてです。
寺社などの伝統建築の屋根は通常はゆったりとした勾配で、横浜能楽堂のようにこんな急勾配の屋根は珍しいそうです。急勾配は住宅の藁葺き屋根にはあります。ちなみに、藁葺きは、藁が腐りやすいので水を流し落としやすくするために急勾配になっているそうです。また、敵に簡単に攻め込まれないように、松本城、熊本城の板壁にも急勾配が見られるようです。
勾配をゆるくして軒も確保しようとするともっと広い敷地が必要となります。また、近隣及び景観への配慮から、高さを抑え、2階壁面を屋根として扱う設計としました。このような理由から、この急勾配が生まれたわけですね。頂部から軒先への勾配は、よ~く見てみると直線ではなく、かすかにふくらみのある「むくり」になっていて急勾配ながら、暖かみが感じられるような気がします。必要性から生まれた急勾配ですが、緑青色の銅の一文字葺き(いちもんじぶき)と相まって、とても雰囲気のある素敵な屋根になっているな~と思います。

 

次に玄関入口部分にあるデザイン上のポイントの破風(はふ)です。
玄関入口屋根がまっすぐになっている形状を「平入り(ひらいり)」と言いますが、横浜能楽堂は、平入りではなく、曲線状の唐破風(からはふ)で、はなやかな印象を与えています。そのデザインは、重くなりすぎないように現代的なデザインになっています。その下には破風にあわせた、こちらもまた現代的デザインの蟇股(かえるまた)が、水平材を支えています。豪華絢爛ではない、すっきりとしたやさしい印象だと思います。先日の首都圏の大雪の日には、しっかりと屋根の雪を受けており、ちょっと健気な破風でした。

 

能楽堂の屋根は美しいな~と感じる理由は、ちゃんと設計者の意図するものであったのだと思いました。
横浜能楽堂にお越しの際には、140年余の歴史ある本舞台とともに、美しい建築外観にもぜひご注目くださいませ。毎月第二木曜日には施設見学会を実施しております。公演日はもちろん、施設見学会日も、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

 

はぜの木

2017年10月28日 (土) 日常

真夜中のチョコレート

一雨ごとに秋が深まっていくようです。
健康診断の結果、非常に運動不足だったので、重い腰をあげて夜の散歩をはじめました。
でも最近雨ばかり降るので、まだ一日しか歩いていません。
残念だなあ、にやり。

雨といえば、ペトリコール(英:Petrichor)ってご存知ですか?
前に新聞記事に載っていて気になっていたのですが、
要約すると「一言では言い表せないけれど、雨が降った時のあの匂い」
だそうです。
あの匂い好きとしては、見逃せない単語でした。
“ペトリコール”という言葉の響きもお気に入りです。
《無性にペトリコールって言いたいシンドローム》と勝手に名付け、時折こっそり呟いています。

ペトリコール然り、日本語の“いただきます”然り、一言では訳せない言葉が世界にはたくさんあると聞いて、言葉は面白いなぁと思いました。
日々、(英俳優のエディ・レッドメインが素敵すぎて)「英語の勉強がんばるぞー!」と思うのですが、そして英語の本を買ってはみるのですが……ごにょごにょ。
いつも海外旅行は熱いハートで乗り切るタイプです。

さて、赤レンガ倉庫のオクトーバーフェストで散財したところから始まったわたしの10月ですが、
あっという間に月末となり、もはや今年が終わる……と思い始めました。
もうすぐハロウィンですね。
昭和の家庭に育った為、若干乗り遅れ気味ですが、ジャック・オ・ランタンには多少憧れています。かぼちゃは美味しくて偉大だ。
もっぱら食欲の秋を過ごしています。

読書の秋と洒落こんでみても、本に出てくる食べ物が食べたくなります。
ちなみに昨夜はパンの耳(かため)が食べたくなりました。
自分に甘いので、真夜中のお菓子あるいはお酒タイムが始まってしまうのが常。
今夜は雨が止みそうなので、やはりそろそろ歩かねば……。


あまりに能楽堂と関係がない内容になってしまった為、
最後に、昨年の今頃に撮影した能楽堂正面玄関前の坂の写真をどうぞ。

 


寒くなってまいりましたので、どうぞ皆様、風邪をひかれませんよう暖かくしてお過ごしください。
そろそろ紅葉坂のもみじが染まりはじめる頃です。

 

もんろう

2017年07月23日 (日) 日常

椅子にまつわるお話です。

横浜能楽堂の2階にレストランスペースがあります。以前はレストラン営業をしておりましたが、現在はお食事スペースとして運用しています。このスペースにて、約20年前の開館以来使われているとっても素敵な椅子があることをご存知ですか?
この椅子についてもっと知りたくなり、メーカーさんに問い合わせてみました。椅子にまつわるお話をご紹介します。

その椅子は、AIDEC(アイデック)社の「VIENNA(ヴェナ)」シリーズのもので、インハウスデザイナーによりデザインされた商品。現在も同シリーズは継続販売されています。渋谷区神宮前のショールームを訪れると、様々な「VIENNA」シリーズの椅子に出会えます。国内に自社工場を持ち、多様な張り地を選択できるところにとてもこだわりがあるようでした。

 

   「VIENNA」シリーズについて(メーカーホームページより)
「19世紀初頭、それまでの装飾過多から単純明快な様式としてドイツ、オーストリア で流行したビーダーマイヤー様式、そして19世紀末、ヨーロッパの中心として活気づくウィーン(VIENNA)に登場したユーゲントスティール。これら過渡期の様式が持つ圧倒的な魅力を現代の空間に向けてリ・デザインした、優美で洗練されたシリーズです。」

 

横浜能楽堂の椅子は、木の材質はブナ材、色はチェリーブラウンです。座面と背もたれの張り地はビロードで、なんともいえないニュアンスのある淡い淡いモスグリーン。窓から差し込む光や照明、見る角度により色が変化します。背もたれの楕円の張り地の周りを白と黒の2色のブレードが囲んでいます。このブレードの触感がとても心地よく、私は気に入っています。

AIDEC社様が約20年前当時の該当する型番のカタログ写真を送付してくださいました。横浜能楽堂のものとは色・柄が異なるため、おそらく木の色・張り地・ブレードまで細々とオーダーしたものと思われます。

 

19世紀ヨーロッパのビーダーマイヤー様式からユーゲントスティール様式の過渡期のデザイン様式をもとにリ・デザインされた椅子が、同じく19世紀(明治8年)に旧加賀藩主・前田斉泰の隠居所の一角に建てられた能舞台を移築・復元した横浜能楽堂のレストランにやってくる・・・ちょっと素敵なストーリーだと思いました。

 

レストランスペースは、公演のある日には、開場から開演までの1時間はお食事スペースとしてご利用いただけます。この椅子でお食事すると、いつもの味が少し特別な味になるかもしれません。レストラン営業は行っておりませんのでお弁当などをご持参くださいませ。お声かけいただければレストランスペースのご見学も可能です。ご利用・ご見学について詳しくはお問合せください。(横浜能楽堂 045-263-3055)

 

はぜの木

2017年04月11日 (火) 日常

能楽堂の屋根のお話です。

紅葉坂から右に折れ、かもんやま公園の正面入り口を曲がると横浜能楽堂が見えてきます。私はいつも、能楽堂の屋根は美しいな~と思っております。この屋根について少しご紹介します・・・。

横浜能楽堂は、平成14年(2002年)に一般社団法人公共建築協会「第8回公共建築賞」を受賞しているのですが、同賞の応募申込書に次のような設計意図の記載がありました。
「外観は2階壁面を屋根として扱い、これを支える1階部分の木造軸組みによる伝統的な日本建築を基調としたデザインとする」
なあるほど!建築外観のとても大きな面積を占めている屋根が、デザインのポイントだったのですね。

建築外部から屋根を見てみますと・・・。
屋根の葺き方(ふきかた)は一文字葺き(いちもんじぶき)、というそうです。水平方向が一直線に連なるように葺くことから一文字葺きと呼ばれるようです。キリッとした端整な印象を醸し出していると思います。
屋根の材質は銅です。20年超の歳月を経て緑青(ろくしょう)が発生しています。緑青は、銅が酸化することで生成された青緑色の錆ですが、屋根の場所により微妙に色の違いがあり味わい深いものがあります。同じく設計意図に次のような記載があります。
「公園の樹木と調和し、時間とともに落ち着きを増す効果がある」
まさに設計意図通りの効果になっているなあ~と思います。

最初にご紹介しましたように、2階壁面を屋根として扱う設計になっているため、2階のレストランスペースと研修室の外壁部分は、壁ではなく屋根の中に窓があります。銅の一文字葺きの中に窓があるわけですから、とても凝ったつくりだと思います。

窓の内部と外部の関係を見てみますとレストランスペースはこんな感じです・・・。
窓の間隔は、天井の格子の間隔に合わせています。そのため、狭くて縦に細長い窓がいくつも配置されているのですね。室内側からは窓なのですが、屋外側からは屋根のように見えます。

室内側

屋外側

研修室はこんな感じです。
窓の間隔は、畳と障子の寸法に合わせた間隔になっています。腰高のお部屋いっぱいにワイドな窓が配置され、見晴らしが良いです。晴れて空気が澄んだ日には、富士山や夕日がきれいに見えます。

室内側

屋外側

横浜能楽堂にお越しの際には、140年余の歴史ある本舞台とともに、美しい建築外観にもぜひご注目くださいませ。毎月第二木曜日には施設見学会を実施しております。公演日はもちろん、施設見学会日も、皆さまのお越しを心よりお待ちしております。

 

はぜの木

2016年10月27日 (木) 日常

本舞台の屋根についてのお話です

先日、横浜能楽堂本舞台を見学された海外のお客様より、「屋根は藁葺き(わらぶき)ですか?」とご質問を受けました。

本舞台の屋根ですが、素材は椹(さわら)で葺き方は「こけら葺き(ぶき)」です。

ウィキペディアによりますと・・・

 

杮葺(こけらぶき)は、屋根葺手法の一つで、木材の薄板を用いて施工する工法である。板葺(いたぶき)の代名詞にも使われる。日本に古来伝わる伝統的手法で、多くの文化財の屋根で見ることができる。

 

とあります。

ちなみに「こけら」は杮と書くのですが、柿(かき)とは微妙に違う字です。

こけらの旁部分は縦の線が上から下まで一本ですが、かきの旁部分はなべぶたの下に巾と書きます。

横浜能楽堂建築時の「横浜市指定文化財 旧染井能舞台復元修理工事報告書」にある屋根工事のページを確認しましたところ、

「椹枌板(さわらへぎいた)を用い杮葺きとした。舞台では、樅の棟折り板の上に燻し瓦の熨斗瓦、雁振瓦、鬼瓦で構成し、鬼瓦には、横浜市の紋章をいれた。」

と記述されていました。

鬼瓦にカタカナのハとマの二文字からなる横浜市の「き章」(通称ハママーク)をいれるなんて、なんて遊びごころいっぱいなんでしょう~と思いました。

横浜能楽堂にお越しいただいた際には、二階見所から本舞台屋根の鬼瓦のハママークをチェックしてみてくださいね!

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そして、もう一つ、横浜能楽堂にはハママークをあしらった素敵な建築要素があります。ヒントは下の写真、ぜひ現地にてご確認くださいませ。

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はぜの木

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