スタッフブログ
2017年08月15日 (火) 公演情報

残暑お見舞い申しあげます

みなさん、「AIR」をご存じでしょうか?
空気? ゲームソフト? 飛行機?
いいえ、ここでは....
アーティスト・イン・レジデンス(Artist in Residence)
アーティストが一定期間その場所に滞在して創作を行うことを言います。

横浜能楽堂ではあまりなじみのない言葉かもしれませんが、
現在、ニューヨークからルカ・ヴェジェッティさんをお招きして、
ジャパン・ソサエティーとの共同制作作品「SAYUSA-左右左(さゆうさ)―」
の創作が行われています。

 

 

横浜能楽堂の主催公演では初めてのコンテンポラリーダンス。
演出・振付のルカさんが、能舞台の特色を活かしながら、
日本を代表する3人のダンサーの表現力を最大限に引き出し、
そこに能の音楽と子方(能の子役)の言葉を織り込んで、
独特の空間が生み出されています。

 

ⓒTerry Lin

 

能舞台の上でダンサーが動くことで感じられる空間。
音の広がりが醸し出す独特の空間。
音と動き、それぞれの空間が融合して、
これまでにない世界が広がります。

 

♦公演情報♦
横浜能楽堂+ジャパン・ソサエティー共同制作作品
「SAYUSA-左右左(さゆうさ)-」

【日時】2017年9月2日(土)14:00開演(13:00開場)
【会場】横浜能楽堂 本舞台
【プログラム】
新作ダンス「SAYUSA-左右左(さゆうさ)-」
笠井叡、中村恩恵、鈴木ユキオ
長山凜三、藤田六郎兵衛(能管)、大倉源次郎(小鼓)
お楽しみに!

 

トラ子

2015年03月16日 (月) 公演情報

こんにちは。

寒さが続く日も少なくなり、1日1日と暖かい日が増えています。

みなさま、お変わりありませんでしょうか。

 

私は2月の初め、春を探しに大倉山へ梅を見に行ってきました。

大倉山の梅

花はまだ少ししか咲いていませんでしたが、

「あったかい春ももうすぐだなぁ~」と、とっても嬉しい気分になりました。

『春』って気分が弾んできますよね。

みなさんは、どんなことで春を感じますか?

 

 

 

横浜能楽堂の春と言えば…『バリアフリー能』の季節です。

バリアフリー能 チラシ画像

 

近年では3月の桜が咲き始める頃に開催していて、今年で14回目になります。

『バリアフリー能』は、可能な限りサポート態勢を整え、障がいのある方が、

能・狂言を楽しむに当たってのバリアを取り除こう、平成12年から始まりました。

「介助者1名無料」をはじめ、視覚障がいの方へ「副音声」や「能舞台の触図」、

聴覚障がいの方へ「手話通訳」や「パソコン通訳」、

そのほかにも「途中入退場可」や「詞章[台本]配布」など、さまざまなサポートをご準備しています。

 

現在ご用意しているサポートも、すべてが第1回公演からあったわけではありません。

開催を重ねるごとに、改善の余地や新たに必要なサポートがないか、協力頂いている各障がい関係者団体の皆様や

ご来場いただいたお客様からご意見を伺い、ひとつひとつ数を増やしてきました。

開催を続けてこられたのも、『バリアフリー能』に興味を持ち、

楽しみにしてくださる方々いてくださるからこそです。

 

 

 

 

さて、

そんな「バリアフリー能」で、今年実験導入するのが、

聴覚障がいの方向け字幕配信用のメガネ型ウエアラブル端末です!

メガネ型ウエアラブル端末 エプソン「MOVERIO(モベリオ)」

エプソン「MOVERIO(モベリオ)」

 

このメガネをかけて舞台を見て頂ければ、目線の高さに台詞や詞章が表示されます。

文字は、『音声電子透かし』という人間の耳には聞き取れない音声信号情報によって配信しています。

この方法なら、無線LANなどの電波で配信する際にありがちな、通信障害がおこりにくいそうです。

 

 

そしてメガネも、より小型&軽量のものが作られています。

それがこちら!

メガネ型ウエアラブル端末 オリンパス「MEG(メグ)」〔試作品〕

オリンパス「MEG(メグ)」〔試作品〕

 

私がこのメガネを初めて見せて頂いた時の一声は、「ドラゴンボールのベジータのメガネみたい!」でした(笑)。

日本の科学技術は、すごいなぁと思います。

その最新科学技術と古典芸能である「能楽」が、横浜能楽堂で出会うのです!!

 

 

ただ、メガネって3D映画を見ていても思うんですけど、結構気になるというか、鼻が痛くなるというか…

(いやいや、けして鼻が高いわけではないですよ。)

今回は、ストレスフリーで見られるiPodtouchやiPadもご準備しています。

※現在(3月15日)のところ、字幕配信限定座席のメガネ席は残席僅少です。

iPodtouch席・iPad席は、若干お席がございます。

 

 

この『聴覚障がいの方向け字幕配信』も、聴覚障がいの方の「膝の上に置いた台本と舞台を交互に見るのは大変」という言葉から、平成25年3月開催の第12回『バリアフリー能』から導入したサポートです。

伺ったご意見をすべて形にすることは難しいのですが、

人と人とのつながりやアイデアに技術、そして思いが『バリアフリー能』を少しずつ進化させています。

 

 

 

『バリアフリー能』は障がいのある方だけの公演ではなく、

障がいのある方もない方も一緒に能狂言を楽しんでもらいたいという思いを込めた公演です。

春の暖かい日差しの中、『バリアフリー能』に足をお運び頂き、

ぜひみなさまの感想や思いをお聞かせくださいませ。

 

 

 

バリアフリー能チラシ画像

『バリアフリー能』

日時:平成27年3月21日(土・祝)午後2時開演(午後1時開場)

演目:お話 本田芳樹

狂言「文荷」(大蔵流)山本泰太郎

能「巻絹」(金春流)髙橋 忍

詳細はこちら→http://ynt.yafjp.org/schedule/?p=1179

 

 

あん娘

2014年05月15日 (木) 公演情報

暗闇で聴く古典芸能

 

 

先月、沖縄タイムスに、企画公演「暗闇で聴く古典芸能」について寄稿させて頂く機会がありました(4月29日に掲載されております)。開催経緯や古典芸能を「聴く」ことについてあれこれ書いたのですが、正直なところ、私、普段あまり能を「聴くもの」として意識しておりませんでした・・・(汗)

 

 

その原稿を書いた翌々日。能「江口」を観ました。言わずと知れた鬘物の名曲で、これまで何度も観ています。その序盤は、次第に始まり、名ノリ、道行、アイとの問答、ワキのサシ謡、そしてシテの呼掛と、お決まりのやり取りが展開します。

 

 

原稿を書いた直後ということもあって、ついつい「聴く」ことを意識しながら観ていたのですが・・・すると、いつもに増して面白いのです!次第の囃子、大小のコイ合(三ツ地)の音と間、そこに笛が絡んできた時の音楽的な豊かさと言ったら例えようのない素晴らしさ。そしてワキの謡の繊細な節遣い、アイの明朗な口跡。言葉がその意味を超えて耳を楽しませ、心を震わせるのです。ちょっと意識するだけで、ここまで聴くことから得られる情報が多いとは・・・もう、目から鱗でした。そして、シテの呼掛、これは揚げ幕の奥、見所からは姿が見えないところから響いてきます。もうこれは、能が「聴く」芸能であることを実感せざるを得ませんでした。

 

 

さらに、この日の「江口」には「平調返」の小書が付いていました。この小書は、序之舞の序の部分に特殊な囃子が奏されるもので、大変重く扱われておりますが、曲に劇的な変化をもたらすものとは言えません。また「平調返」の際には、後シテの出に常の一声ではなく「沓冠之一声」と呼ばれる、これまた特殊な囃子が奏されますが、これもシテの演技には直接関係のないものです。こういったものが大切にされているのは、やはり能が「聴くもの」であるためのように思えてなりませんでした。

 

 

能を「聴く」楽しみを知ってしまった私は、後日観た組踊「大川敵討」でも「聴く」ことを実践。第一場の乙樽の唱えや、東江節などの聴きどころで思わずニヤニヤしてしまったのでした(笑)

 

 

さて、6月21日(土)開催の「暗闇で聴く古典芸能」では、「聴く芸能」と呼ばれる能、組踊、文楽の名手たちが勢揃い。名曲と知られる「西行桜」や「卅三間堂棟由来」、一管の秘曲「津島」や本土で初上演となる語り組踊「手水の縁」を上演します。照明を落とした真っ暗な会場、聴くことだけに集中できる環境で古典芸能がどのように皆様の耳に届くのか・・・?お楽しみに!

 

 

公演詳細はこちら↓

http://ynt.yafjp.org/schedule/?p=1047

 

<の>

2014年04月30日 (水) 公演情報

ゴールデンウィーク真っ只中、皆様いかがお過ごしでしょうか。今年はうまく休みが連ならず、3連休だけという方もいれば、28日をお休みにして、4連休を加える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなゴールデンウィークが過ぎて、1か月もすれば梅雨がやってきます。そして、そうこうしている間に夏に突入していきます。

 

7月6日(日)、横浜能楽堂には、スイスからお客様がやってきます。
それは、スイス・ロマンド管弦楽団のメンバー!
お昼は横浜みなとみらいホールにてコンサートを行い、夜にはその中から弦楽四重奏とフルートの5名が横浜能楽堂で演奏します。
まずクラッシックの演奏者が横浜能楽堂の舞台に上がるのが、初めてのこと。
そこで彼らがクラッシックを演奏するだけでなく邦楽の深海さとみさん、藤原道山さんと共演もします。なんと最後の曲では、京都の上七軒の芸妓さん、舞妓さんと一緒に共演しちゃいます!
個人的には、これがとっても楽しみ。かわいいだけでなく、踊りの上手な芸妓さんと舞妓さんで、きっと皆様の目を、心を、楽しませてくれるでしょう。

 

芸妓・舞妓のお二人

 

 

これだけ聞くと、よくある和楽器と洋楽器のコラボレーションね、と思われるかもしれませんが、それだけじゃないんです。

 

これは、学術的な意味もあるのです。
それは日本・スイスの国交が樹立された、今から150年ほど前のこと。西洋化の波がおしよせ、日本にクラッシック音楽が流入してきました。
それから現在に至るまで、日本の音楽家は、和と洋の音楽を融合した音楽を生み出してきました。
その代表的な曲がお正月におなじみ、宮城道雄作曲の「春の海」です。そのほかにも、佐々紅華作曲の「祇園小唄」など、多くの曲が作られてきました。
この公演では、和洋の音楽が融合された曲を演奏し、近代音楽史の一大潮流を舞台上で再現する、という試みなのです。

 

140年の歴史のある舞台で、クラッシック演奏者と邦楽演奏家、そして、芸妓・舞妓が共演する・・・なんて公演、後にも先にもないかもしれません。
ぜひこの夏、横浜能楽堂で日本の音楽史に思いを馳せてみませんか。

 

詳しくは↓
 http://ynt.yafjp.org/schedule/?cat=51&cat2=7&cat3=15&x=51&y=27

 

さきほどの「春の海」について、「和と洋の音楽が融合された曲?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんので、追記します。
日本の音楽の代表格と思われる「春の海」ですが(邦楽曲の有名な曲ではあるのですが)、実は洋楽の要素を取り入れて作曲された曲なのです。
原曲は箏と尺八ですが、バイオリンと箏の演奏もあり、宮城道雄とフランスのバイオリニスト ルネ・シュメー女史との演奏を収録したレコードがフランスやアメリカでも発売されています。

 

 

ぼたん

2014年02月14日 (金) 公演情報

皆様こんにちは。あん娘です。

暦の上では春ですが、先日は大雪が降ったりと寒い毎日ですね。
連日テレビでは、4年に1回の祭典・オリンピックが中継されています。
私も観出してしまうと、ついつい最後まで観てしまい、翌日起きるのがつらかったりします。
皆さんは大丈夫ですか?
決勝の時間は3時や4時ですから、夜更かしをせずに、う~んと早く寝て、と~っても早く起きればいいのですが…なかなか難しいですね(笑)。

 

さて、恒例の行事といえば、横浜能楽堂では「バリアフリー能」でしょうか。
障がいのある方もない方も一緒に能・狂言を楽しんでもらいたい-そんな横浜能楽堂の願いを込め、今年も3月22日(土)の午後2時から開催します。おかげさまで、今年で13回目の開催。私自身も、今年で4回目の担当になります。

 

「バリアフリー能」では毎年、さまざまなサポートをご用意してお客様のご来場をお待ちしているのですが、初めて担当になった年は、これらのサポートを理解するだけで精いっぱいでした。

 

 

私がこんなものがあるのか!!と思ったものの1つ。

 

能舞台の触図です。

 

能舞台触図

視覚障がいの方に「こんなものがあるよ。」教えて頂いて、第1回の「バリアフリー能」からご準備しています。
この触図、今ではめずらしいサーモフォームという機械で作っています。
原盤にボール紙やサンドペーパーなどを張り付け、焼き付けるという手法で、きれいに作るのがとっても難しいそうです。
場所によって凹凸の形が違うのが写真からわかりますか?

それぞれ触り心地が違うので、視覚障がいの方にはわかりやすい!ととっても好評なんですよ。
ところが、機械も老朽化し、原盤を作るのも職人技が必要ということで後継者がおらず、今後はもう作ることができないかもしれないということでした。
なんとか、続けて頂ければと思っているのですが…とても残念です。

 

 

オリンピックを見ていて、10代の選手の皆さんがインタビューで、
「多くの皆さんに支えてもらって、ここに立っています。」と話していました。

 

「バリアフリー能」も、たくさんの方々のご協力によって今年も開催することができます。
多くの皆様のご来場、心よりお待ちしています。

 

今年度の「バリアフリー能」は、3月22日(土)午後2時開演(午後1時開場)です。今年は、昆布売りと何某の立場の逆転が面白い狂言「昆布売」と、源氏物語を題材に、愛を失った高貴な女性の悲しみと恨みを描いた能「葵上」をお送りします。

詳細はこちら

 

バリアフリー能チラシ画像

 

●サポート内容一覧●

◎共通サポート
介助者1名無料(チケット申込時にお伝えください)
・途中入退場が可能

 

◎視覚障がいの方には…
・点字ちらし
・点字パンフレット
・メールパンフレット(Eメールアドレス宛てに、パンフレットの内容を事前送信致します。チケット申込時にメールアドレスをお伝えください)
・副音声
・触ることのできる能面展示
・能舞台の触図
・能楽堂への道案内(能楽堂HPから交通アクセスへお入りください)
・視覚障がいの方向け 施設見学会(3月2日午後2時開始 ➡ 詳しくはこちら

 

◎聴覚障がいの方には…
・解説時 手話通訳
・解説時 パソコン通訳(「パソコン通訳」は、音声をリアルタイムにパソコンで入力し、
文字にしてスクリーンに投影します)
・詞章〔台本〕配布(事前送付も)
・字幕配信(S席12列・13列、B席12列・13列座席限定。iPadやモニターで字幕を配信します。チケットお申し込み時にお伝えください。)
・聴覚障がいの方向け 施設見学会(3月2日午前10時30分開始 ➡ 詳しくはこちら

 

◎知的障がいの方には…
・チラシ・パンフレットを総ルビで表記
※公演終了後に知的障がいの方を対象とした、公演内容向上のための意見交換会を予定しております。1時間程度を考えておりますので、お時間がございましたら、是非ご参加ください。事前の申し込みは必要ございません。公演終了後は、ロビーにお集まりください。意見交換会会場までご案内致します。

 

◎車椅子の方には…
・車椅子の方向駐車場(チケット申込時にお伝えください。当日午後1時半までにお越しください。)
・通路側のお席を優先的にご案内

 

ご来場、心よりお待ち申し上げております。

 

 

あん娘

2013年09月19日 (木) 公演情報

8月の溶けてしまいそうな猛烈な暑さも、少し和らぎ、秋が近づいているのかな・・・と思わせる今日この頃。

そんな読書の秋におすすめ・・・というか、最近読んだ本をご紹介したいと思います。

 

1冊目は、「読んで愉しむ 能の世界」。

 

 

読んで愉しむ能の世界表紙

 

 

9月1日に開催された企画公演「時々の花」第1回での解説も好評だった馬場あき子さんの著書。昭和50年に発刊された「花と余情」という本に、「新・能楽ジャーナル」で連載されていた「作り物随想」を併収し、平成21年再版されたものです。

 

内容は能の作品の解説書なのですが、一般的な解説書が、あらすじや見どころを簡潔に記載し、より多くの曲目を紹介しようとしているのに対し、本書は16曲にしぼり、一つ一つの作品の見どころ聞きどころ、舞台進行や詞章についての丁寧な説明、深い考察が加えられています。題材となる古典文学や和歌、そして「申楽談儀」や「隣忠秘抄」といった能の伝書などを引用しながら、馬場さんらしい感性の豊かさと、瑞々しい表現で綴られた文章は、今まで知らなかった作品の魅力に気づかされ、読み進めるのが本当に楽しい、まさにタイトル通りの内容。初心者の方から、能が好きな方までおすすめできる本だと思います。

 

そして、企画公演「時々の花」10月26日の第2回12月21日の第3回では、どんなお話を聞けるのか、こちらもお楽しみに!
 

もう1冊は与那原恵・著の「首里城への坂道 鎌倉芳太郎と近代沖縄の群像」。

首里城への坂道表紙

鎌倉芳太郎の名前は、沖縄の文化関係の書籍を読むと必ずと言ってよいほど登場しますし、2年前に行った特別展「祝いの色と文様」での紅型の展示を通じて、当時衰退しかけていた紅型の技術の研究や型紙の収集を行い、戦後の紅型の復興に寄与した重要な人物として認識があったので、その生涯についてもっと知りたいな、とひそかに思っていました。

本書では美術教師として沖縄に赴任した鎌倉芳太郎が沖縄に魅せられ、琉球王朝の崩壊により失われつつあった文化について幅広く調査・記録、写真や資料を残し、それらの資料、そして鎌倉の熱意が琉球文化を現代まで残していくことにどれだけ重要な役割を果たしたかが、非常にドラマティックに描かれています。また、同じく琉球文化に魅せられ、研究等を行った、伊波普猷、末吉麦門冬、伊藤忠太らの活動も描かれることで、明治以降の沖縄の芸術文化の分野における研究、保存、継承の歴史の流れが良く分かる内容になっています。今後、沖縄の文化に触れるにあたり、それらを残そうとした先人の思いを感じずにはいられないであろう、そんな気分にさせてくれる一冊です!

 

そして、この書籍の舞台・首里に建ち、鎌倉芳太郎の資料の多くが保存されている沖縄県立芸術大学。ここを卒業し、現在、第一線で活躍する琉球舞踊家たちが出演する公演「琉球舞踊 受け継がれる伝統-古典・雑踊・創作-」が11月9日(土)に開催されます。琉球王朝時代からの古典舞踊、明治以降に創作された雑踊、そして今回の公演のために作られた新作も上演される、見逃せない公演。チケット好評発売中です。

琉球舞踊 受け継がれる伝統

また、公演に併せ、10月13日(日)から12月8日(日)まで、2階の展示廊では、特別展「歌う 踊る 弾く-琉球張り子・豊永盛人の世界」が開催されます。沖縄各地でハーリー(爬竜船競争)が行われる旧暦5月4日のユッカヌヒー。かつて、この日には玩具市が並び、こどもの健やかな成長を願い、張り子を買い与えたそうですが、明治以降の玩具の発達、また沖縄戦でその文化も衰退してしまいました(鎌倉芳太郎の写真資料の中に、今では殆どが失われてしまった戦前の琉球張り子もあるそうです)。その伝統的な琉球張り子の技術を継承し、またオリジナリティあふれる創作活動を行うことで、注目を集めるアーティスト・豊永盛人の初の本格的な個展になります。どうぞご期待下さい。

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2013年03月28日 (木) 公演情報

平成23年9月3日横浜在住の古典芸能実演家の呼びかけにより実現した「東日本大震災チャリティ公演『古典芸能のつどい横浜』」。ツイッターで支援先など、状況をお知らせしておりましたが、ここに改めてご報告申し上げます。

チケット売り上げ・寄付・募金等併せて2,374,213円集まり、諸経費を差し引いた2,312,798円で、当初お知らせしておりました5団体に支援が終了しました。

支援物は、支援団体の方とも相談し、なるべく被災地にあるお店に発注するように努めました。「虎頭」だけは発注先が見つからず、実行委員でもある能面師の岩崎久人さんに依頼しました。

残金については、支援先決定にご協力いただいた「ふるさと岩手芸能とくらし研究会」へ寄付させていただきました。

「ふるさと岩手芸能とくらし研究会」の活動内容はこちらをご参照くださいませ。 http://torira.exblog.jp/

 1.支援先・支援内容について

1)大浦虎舞(岩手県山田町)

支援内容=虎頭2ケ、虎頭用幕類

 

 

 

 

 

 

2) 笹崎鹿踊保存会(岩手県大船渡市)

*支援内容=太鼓2調

    

 

 

 

 

3)永浜鹿踊り保存会(岩手県大船渡市)

*支援内容= 半纏15枚

   

 

4)中赤崎獅子舞保存会(岩手県大船渡市)

*支援内容=半纏35枚、ズボン54枚

   

  

5)雄勝法印神楽(宮城県石巻市)

  *支援内容=ザイ5つ

          

 

2.去る10月21日~22日に、実行委員を代表して山井綱雄さんと児玉清子さんが支援した5団体のうち、岩手の4団体を訪問して来ました。

 

【大浦虎舞】

訪問に合わせ、大浦虎舞のみなさんが霞露ヶ岳神社にて虎舞を披露して下さいました。(虎頭は2号くんが登場していました)

和藤内が虎を退治した後、大人の囃子に乗って子どもたちによる刺鳥舞です。

  

 

山井綱雄さんが返礼に「羽衣」の一節を謡ったのちに、記念撮影。

 

     

 

 

虎頭は張り子で作られたものが多い中、大浦虎舞の虎頭は木でできています。そのため現地で作れる人が探せず、岩崎久人さんにお願いすることになりました。大きな桐材を探すのも大変だったようです。メンバーの中には、新しくやってきたハンサムな虎頭くんたちを「ずっと眺めていたくて、部屋中に写真を貼っています!」と仰る方もいらっしゃいました。

 

大浦虎舞と岩崎さん(や私)との出会いは「ふるさと岩手芸能とくらし保存会」の「とりらブログ」でご覧ください。

http://torira.exblog.jp/16753304/

http://torira.exblog.jp/16581917/

 

 大浦のお祭りは3年に1度で、今年2013年がまさにその年に当たります。しかし、昨年の夏に虎頭が届いたことで、昨年9月に復活のお祭りを行うことに決めたそうです。「とりらブログ」に復活当日のエントリーがありますので、ぜひご覧ください。

http://torira.exblog.jp/17954282/

 

そして、今年は9月第1週目の9/7(土)周辺で開催されるようです!大浦虎舞保存会の方々より「ぜひみなさん見に来て下さい!」とのことですので、詳細が分かりましたら、また能楽堂ツイッター等でお知らせします。

 

 

 

【 中赤崎獅子舞保存会】 

  中赤崎漁村センターにて田中勘一郎会長とお会いしました。震災時には、高台にあるこの漁村センターが避難所になっていたそうです。

   

獅子頭などのお道具類などを見せていただきました。今回支援したズボンと半纏は「寄贈 古典芸能のつどい横浜実行委員会」と書かれたクリアケースの中にきれいに納められていました。獅子頭は瓦礫の中からいくつか見つかり、地元の木ばくり工房さんで修理していただいたそうです。

木ばくり工房さんもとりらブログにてご覧ください。

http://torira.exblog.jp/16585066/ 

 震災前の写真などを見ながら、震災のこと、権現様(獅子舞)のこと、芸能のこと、さまざまなお話を伺いました。

   

 中赤崎獅子舞は、お正月の獅子舞で、権現様と呼ばれています。1月1日の朝から各家を回って、悪魔祓いをします。お迎えする家ではお神酒、ビール、ジュースのほか、黄色やピンクや赤など色のついた手ぬぐい(今はタオルが多い)、お菓子を準備して待つそうです。震災前には5地区500世帯も回っていたそうです。にぎやかな光景が目に浮かびます。

そこから、話は移り、なんと田中会長は謡を大蔵流で習っているとのこと。

「大蔵流?お狂言ですか?」とお尋ねすると、

「いえいえ。能の小謡です。『高砂』などがあります」と。

するとすかさず山井綱雄さんが「伊達藩お抱えだったシテ方金春流の流れを汲む流儀で大蔵流があると聞いたことがあります。でも、お稽古なさっているかたにお会いするのは初めてです」と教えて下さいました。

岩手の芸能王国ぶりを改めて知った瞬間でした。

 

 

【永浜鹿踊り保存会】 

金野勝也会長の案内で、永浜地区にある仮の稽古場と、引き渡し間近の新規の稽古場兼倉庫を見せていただきました。仮の稽古場は、津波で被災し、住めなくなった会員の家を稽古場としてお借りしているとのこと。新規の稽古場兼倉庫は宝くじの助成で建てられたそうです。これまでよりも高台に作られました。

   

   

助成金やさまざまな支援を得て、永浜鹿踊りも復活しました。この時はアブダビ公演に向けて練習に励まれておられました。

 

【笹崎鹿踊り保存会】 

笹崎鹿踊り保存会の佐藤正志会長宅へは、永浜鹿踊りの金野会長に車で先導していただきました。そして、永浜鹿踊りの金野会長とともに笹崎南公民館にて佐藤会長と面会。佐藤会長と山井さんは前月に若手能楽師による「息吹の会」のチャリティ公演にてお会いしていたこともあり、話が弾んでいらっしゃいました。その後、鹿踊りのささらや頭を見せていただきました。このささらは、なんと佐藤会長が作っていらっしゃるそうです。鹿頭も保存会メンバーで作っていらっしゃるのを、見せていただきました。

先ほどと同じとりらブログの前半部をご覧ください。

http://torira.exblog.jp/16585066/ 

 今回の訪問では行く先々で歓迎を受け、復活に至るまでのお話をうかがい、遠く横浜からの支援をどの団体の方も喜んで下さっていることを知りました。どの団体の方もぜひ支援して下さったみなさまに「自分たちの芸能を観ていただきたい」と仰っていました。山田町も大船渡市も現在は交通手段が限られていて、大変行きづらくなっていますが、今後のお祭り情報や出演情報もお知らせして行けたらと思っております。ぜひ、横浜から大挙して見に行きたいですね。

今回の実行委員代表の山井さんと児玉さんの支援団体訪問をもって、「東日本大震災チャリティ公演 古典芸能のつどい横浜」の活動は一区切りとなりますが、これで終わりではなく、これからもこのご縁を大切に何かできることを考えて行きたいと考えています。

公演を見に来て下さったみなさま、ツイッター等で告知にご協力くださったみなさま、ご支援をいただいた皆様、本当にありがとうございました。全ての皆様に感謝申し上げます。

 

古典芸能のつどい横浜実行委員会

 熊谷敬子(横浜能楽堂)

2012年12月28日 (金) 公演情報

横浜能楽堂普及公演「バリアフリー能」

 

今回はH25年3月16日(土)に行われる「バリアフリー能」について、その取り組みの内容についてご紹介したいと思います。

 

 

 

「バリアフリー能」ってどんな公演!? 

 

 『より多くの方へ能・狂言を届けたい』

 

そんな横浜能楽堂の願いを込めて、平成12年の3月に第一回が行われた「バリアフリー能」は、今年で12回目を迎えます。

より多くの方に喜んで頂けるバリアフリーを目指し、介助者1名無料、点字パンフレット・点字入りチケットの製作、副音声、手話通訳など、毎年改善を重ね、様々なサポートをご用意しております。

その中でも、今年初めての試みが、聴覚障がい者向け上演時字幕配信と、「視覚障がい者向け施設見学会」です。

これまで、聴覚障がいの方へのサポートとしては、パンフレットへの詞章(台詞)の掲載と、舞台前に設置しためくりでの場面のお知らせを行って参りました。

しかし、お客様から「詞章と舞台を交互に見るのは大変」というご意見を頂き、今回からPSP(ソニープレイステーションポータブル)等を使っての字幕配信を企画致しました。試行錯誤をしながらの導入ですが、古典芸能と現代機器の融合を目指します。

(※機器の台数とお座席が限られておりますので、お早めにお申込みください!)

(※例年通り、詞章(台詞)の掲載されたパンフレットご準備しております。)

 

 

「視覚障がい者向け施設見学会」について

 

 今年初めての試みとなります、「視覚障がい者向け施設見学会」は、視覚障がいのお客様からの「触ることが私たちの目です」というお言葉から、実際に本舞台に上がって能舞台を感じて頂こうと企画しました。

(※「視覚がい者向け施設見学会」の日程やお申込み方法は、『公演・催事』のH25年スケジュールの中で詳細をご紹介しております。 ⇒ 施設見学会の詳細はこちらから!!

この企画は、「バリアフリー能」チケットご購入の方を対象とした無料の見学会で、介助者の方も1名までご一緒にご参加頂けます。定員は20名で、先着順です。

スタッフによる解説の後、実際に本舞台に上がって見学をして頂けます!!

横浜能楽堂の本舞台は、関東地方現存最古で140年近くの歴史がある能舞台です。普段は中々体験することができない能舞台独特の構造や立体感などを感じて頂き、能・狂言をより深くお楽しみ頂ければ幸いです。

(持ち物として、本舞台に上がるための白足袋をお願いしておりますが、白足袋は横浜能楽堂でも販売しております。※一足2,000円) 

 

 ⇒ 横浜能楽堂普及公演「バリアフリー能」 公演時間・チケット購入など、公演に関する詳細はこちらから

  ⇒ 「バリアフリー能」については、こちらのページでもご紹介しております!! 

 

 

 

 

 

 

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横浜能楽堂
住所:
〒220-0044 神奈川県横浜市西区紅葉ヶ丘27-2
電話:
045-263-3055
休館日:
無休 (施設点検日と年末年始を除く)
開館時間:
午前9時~午後8時
横浜能楽堂は、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団が運営しています。
©横浜能楽堂